1995 Fiscal Year Annual Research Report
原発性肺癌臨床検体における抗癌剤の多剤耐性機構に関する研究
Project/Area Number |
07670646
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
磯部 宏 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (90241322)
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Keywords | 原発性肺癌 / 薬剤耐性 / P-glycoprotein / トポイソメラーゼ / 共焦点走査型レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
原発性肺癌薬剤耐性の臨床検体での検討に先立ち、肺癌培養細胞株を用いて基礎的な検討を行った。培養細胞株ではp-glycoproteinの発現はほとんど認めなかった。またcell cycle、DoxorubicinやEtoposideに対するIC50、DNA topoisomerase II content(Western blot assay)、topo II activity(catalytic assay)を測定し、さらに臨床検体応用に向け、anti-topoisomerase II antibodyによるimmunostainingを行った。Immunostainingとtopo II content、topo II activityには弱い相関を認め、immunostainingの臨床応用は可能と考えられたが、IC50とは関係を見いだせなかった。 以上より少量の検体に対するimmunostaining assay(p-glycoprotein、topo II)は確立したが、immunostainingによる染色性の評価が難しく、臨床応用にはさらに改善の余地があると考えられた。そこで共焦点走査型レーザー顕微鏡による薬剤の細胞内分布を観察し、薬剤の感受性、耐性の評価に利用したところ、明らかに耐性細胞で薬剤の核内への集積が低下していた。これは臨床検体(胸水)においても十分評価が可能で、新しい薬剤感受性の測定項目になり得ると考えられた。現在症例数を重ねて癌性胸膜炎患者の局所治療効果と薬剤の細胞内分布を検討しているが、薬剤の核内集積の低下を示す症例に癌性胸水のコントロールの不良例の多い傾向が見出された。
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Research Products
(2 results)