1995 Fiscal Year Annual Research Report
II型慢性呼吸不全-夜間睡眠中のBiPAPによる治療の試み-
Project/Area Number |
07670677
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
阿部 直 北里大学, 医学部, 講師 (80129311)
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Keywords | 呼吸不全 / BiPAP / パルスオキシメーター |
Research Abstract |
目的:慢性呼吸不全の患者の一部の患者では,夜間睡眠中に著しい低酸素血症が生じる。この低酸素血症は低換気によるため,酸素吸入によっても十分な改善が認められないと考えられている。本研究では安定期のII型慢性呼吸不全患者にBiPAPによる換気補助装置を夜間睡眠中に用いることができるようにするために,1.在宅酸素療法により,日中の覚醒安静時の動脈血酸素分圧が60Torr以上に維持されている慢性呼吸不全患者に生じる夜間の低酸素血症の頻度と程度を明らかにする.2.低酸素血症と夜間の換気量の関係を明らかにする。(3)II型慢性呼吸不全患者に対する夜間のBiPAPの最適な設定方法を明らかにすることを目的とした.方法:26名の慢性呼吸不全患者を対象に:1.在宅酸素療法下に安静覚醒時に動脈血液ガス分析,およびスパイロメトリーを実施した.2.夜間睡眠中の動脈血酸素飽和度をパルスオキシメーターにより測定,記録した。3.夜間睡眠中に低酸素血症が認められた患者の一部を対象にポリソムノグラフィーに加えて,酸素飽和度,経皮電極による炭酸ガス分圧を測定した。4.睡眠のステージと各種呼吸パラメータとの関係の分析,および、換気量を検討し,夜間低酸素血症の原因を検討した.5.低換気を伴う夜間低酸素血症に対してBiPAPによる治療を試みた.結果:1.日中の覚醒安静時の動脈血酸素分圧が60Torr以上に維持されている慢性呼吸不全患者においても夜間に低酸素血症が高頻度に認められることがわかった.2.夜間に低酸素血症が認められる症例は,肺活量の低下例,および高炭酸ガス血症を示す症例に多く認められた.3.REM期に著しい低酸素血症が認められた.4.BiPAPにより,動脈血二酸化炭素ガス分圧の有意な低下,および動脈血pHの有意て(p<0.01)改善が認められた.動脈血酸素ガス分圧は改善傾向にあったが,有意ではなかった.
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