1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670683
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
栂 博久 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (90142554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 正史 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30165831)
石垣 昌伸 金沢医科大学, 医学部, 助手 (10247439)
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Keywords | 成人呼吸窮迫症候群 / 一酸化窒素 / エンドトキシン / 肺高血圧 / 気管支肺胞洗浄 / 肺微小血管圧 / ウエスタンブロット / 酵素抗体法 |
Research Abstract |
1In vivoエンドトキシン肺傷害。 (1)麻酔ネコにおいて、エンドトキシン0.3〜300μg/kg体重の静脈内投与により、量依存性に肺動脈圧の上昇、体血圧の低下、動脈血PaO2の低下、肺湿乾重量比の増加を認め、肺傷害時の血行動態に一致する所見であった。エンドトキシン投与6時間後の肺組織のヘマトキシリンエオジン染色で肺毛細管のうっ血、問質への単核多核球浸潤、肺胞への浸出液が認められ、急性肺傷害が確認された。エンドトキシン投与により呼気一酸化窒素(NO)濃度は21から24ppbへと上昇傾向を認め、内因性NOの産生が増加していることが示された。気管支肺胞洗浄(BAL)では、好中球を主体とする炎症細胞の増加が見られ、エンドトキシン肺傷害の発症におけるこれらの炎症細胞の関与が示唆された。今後、種々の拮抗薬のエンドトキシン肺傷害に対する効果を検討する予定である。 (2)麻酔ラットにおいて、エンドトキシン1mg/kg体重の静脈内投与により、6時間後ネコの場合と同様の組織およびBAL所見が得られ、急性肺障害が確認された。その障害肺のホモジェネートから、Western blotting法と酵素抗体法(EIA)を用いてマウス由来の誘導型NO合成酵素(iNOS)の存在が証明された。健常肺ではiNOSは検出されなかった。今後、個々の細胞レベルでのiNOSの発現と、iNOSのmRNAの発現を検討する予定である。 2自家血還流肺の低酸素およびエンドトキシン肺傷害。 1)エンドトキシン1〜3mg/kg体重の投与により、肺動脈圧だけでなく肺毛細管圧、微小動静脈圧も上昇し、この肺傷害では肺動脈だけでなく、毛細管、肺静脈にも影響が及ぶことが示された。エンドトキシン投与後肺湿乾重量比(W/D)は増加し、肺水分濾過量の増加が示唆された。
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Research Products
(2 results)