1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670688
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
永田 忍彦 産業医科大学, 医学部, 講師 (20189137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 久光 産業医科大学, 医学部, 助手 (70271442)
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Keywords | アミオダロン / 肺 / 肺臓炎 / 気管支肺胞洗浄(BAL) / サーファクタント・アポ蛋白 / II型肺胞上皮細胞 / ラット |
Research Abstract |
アミオダロン肺臓炎の発症機序については、薬剤による直接障害や過敏反応などが考えられているが、詳細は不明である。また、肺胞マクロファージは、種々の肺疾患の発症機序に関与していることが報告されている。 アミオダロンの投与を受けた患者の気管支肺胞洗浄液中には細胞質が腫大、泡沫化した肺胞マクロファージ(foamy macrophage)が特徴的にみられることが知られているが、この細胞のアミオダロン肺臓炎の発生における役割については不明な点が多い。 今回ラットにアミオダロン150mg/kg/日を週5日経口投与することによりアミオダロン肺臓炎を作製した。1、3、5週目に屠殺後、両肺を生食50mlにて洗浄して肺胞マクロファージを採取し、1x10^5に調整。6時間培養後mRNAを採取し、炎症性サイトカインmRNAの発現についてRT-PCR法にて検討した。β-actinを内部コントロールとした。 その結果IL-1αmRNAの発現はアミオダロン投与1週目より亢進傾向がみられ、5週目にはその発現は有意に亢進していた。TNF-αmRNAは1週目に有意に発現亢進がみられ、5週目にも発現亢進傾向がみられた。CINC-1mRNAも1週目よりその発現が有意に亢進しており5週目でもその発現は有意に亢進していた。 以上の結果から、アミオダロン投与後早期より肺胞マクロファージからの炎症性サイトカインmRNAの発現が亢進していることが明らかとなり、肺胞マクロファージが肺臓炎の発生に関与している可能性が示唆された。
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