1996 Fiscal Year Annual Research Report
細胞死の情報伝達機構の解明-キナーゼカスケードの果たす役割
Project/Area Number |
07670706
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Research Institution | Fukui Medical School |
Principal Investigator |
武藤 多津郎 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (60190857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜口 道成 名古屋大学, 医学部, 教授 (90135351)
栗山 勝 福井医科大学, 医学部, 教授 (80107870)
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Keywords | アポトーシス / HMG-CoA還元酵素阻害剤 / チロシン燐酸化 / PLC-γ1 |
Research Abstract |
先年度の成果即ち細胞内タンパクのチロシン燐酸化反応が細胞の種類の違いにより細胞死のシグナル伝達系として働く場合と細胞死からの防御反応のシグナル伝達系として機能している系を見つけ、各れの場合もこの蛋白チロシン燐酸化反応が細胞の生・死を決定する主要な因子になっていることを明らかにした。今年度は、この2者の系のうち前者すなわちチロシン燐酸化反応が細胞死のシグナル伝達系として作用する筋芽細胞の系を用いチロシン燐酸化反応の標的となる蛋白の同定を試みた。この筋芽細胞の系に、HMG-CoA還元酵素阻害剤のシンバスタチン(SV)を投与すると、投与早期より細胞内蛋白のチロシン燐酸化反応が生じひき続いてapoptosisによると思われる細胞死が惹起されることを昨年度明らかにしている。このSVによるチロシン燐酸化反応をうける細胞内蛋白のうち分子量145KDの蛋白に注目し、種々の抗体でイムノブロットし陽性を示すものをスクリーニングした。このスクリーニングは、分子量と細胞内局在からデータバンクより候補蛋白をピックアップし行った。その結果、145KDの蛋白はPLC-γ1であることが判明した。SV刺激した細胞より抗PLCーγ1抗体を用いて免疫沈降し抗燐酸化チロシン抗体でイムノブロットすると確かにSVの用量依存的にチロシン燐酸化反応の増大が観察された。さらにPLC-γ1の特異的阻害剤のU73122で細胞を前処理するとSVによる細胞死が明らかに抑制された。したがって細胞死のシグナル伝達系にそのチロシン燐酸化反応を通じPLC-γ1が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Pu M.et al.: "Evidence of a novel redox-linked activation mechanisin for the Sro Kinase which is independent of tyrosine 527-mediated regulation" Oncogene. 13. 2615-2622 (1996)
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[Publications] Pu M.et al.: "Mecuric chloride mediates a protein sulfhydryl modification-based pathway of signal transduction for activating Src Kinase which is independent" J Cell Biochem. 63. 104-114 (1996)
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[Publications] Hirayama M.et al.: "Chorea-acanthocytosis with polyolonal antibodies to ganglioside GMI" J Neurol Sci. (in press).