1996 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁場計測による随意運動に対する感覚入力の影響の検討
Project/Area Number |
07670711
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
長峯 隆 京都大学, 医学研究科, 助手 (10231490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (90212761)
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Keywords | 随意運動 / 感覚入力 / 脳磁場 / 運動関連脳磁場 / 体性感覚誘発脳磁場 |
Research Abstract |
1。 運動に与える感覚入力の影響を検討する際に、最も制御しやすく、かつ広く用いられている感覚刺激は電気刺激である。しかしながら、従来、脳磁場計測において電気刺激を用いた場合には磁場の乱れが不可避であり、電気刺激での脳磁場の影響を観察する事は困難であった。今回、この磁場の乱れをとり除く為に種々の機械的な接地を検討し、十分な幅をもった接地電極を刺激電極より近位側に用いることにより、刺激アーチファクトをほぼ完全に除去することに成功した。この方法により、運動開始前後の感覚野、運動野の活動状況を詳細に検討することが可能になるものと思われる。 2。 随意運動に先行する脳活動をとらえる為に、従来は各自のペースでの運動を3秒程度の間隔で施行させていたが、運動障害や感覚障害のある患者においてはこの課題はやや施行困難であり、課題の改良が望まれていた。脳磁場における準備脳磁場は、脳波の準備電位に比較して開始が遅いため、運動間隔を短縮しても支障ないものと考えられ、今回我々は種々の運動間隔で感動関連脳磁場記録を検討し、1.5秒の間隔が確保できれば、ひとつの随意運動としての反応を記録できることが確かめられた。 3。 上記1、2の結果をもとに、中心溝付近に器質性病変を有する運動障害患者8名において、運動関連脳磁場記録を体性感覚誘発脳磁場と比較し、本人MRI上に重畳させ、運動野、感覚野の解剖学的位置関係を確認した。電気刺激による体性感覚誘発脳磁場では、第一次感覚野を全例で同定することができたが、運動関連脳磁場では障害側の運動野の偏位を同定できたのは1名のみであった。これは、運動障害により運動そのものの遂行が困難であったことが一因であるが、それ以外に、運動野の偏位により脳溝が頭表に水平よりずれて脳磁場がとらえにくくなった可能性も考えられ、今後の検討が必要である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Hari,R.et al.: "Time-varying activation of different cytoarchitectonic areas of the human S1 cortex after tibial nerve stimulation." Neurolmage. 4. 111-118 (1996)
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[Publications] Honda,M,et al.: "Event-related potentials during paired associate memory paradigm." Electroenceph.clin.Neurophysiol.100. 407-421 (1996)
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[Publications] Honda,M.et al.: "P300 abnormalities in patients with selective impairment of recent memory." J.Neurol.Sci.139. 95-105 (1996)
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[Publications] Kanda,M.et al.: "Pain-related somatosensory evoked potentials can evaluate hypalgesia in Wallenberg's syndrome." Acta Neurol.Scand.94. 131-136 (1996)
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[Publications] Kanda,M.et al.: "Pain-related and cognitive components of somatosensory evoked potentials following CO2 laser stimulation in man." Electroenceph.clin.Neurophysiol.100. 105-114 (1996)
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[Publications] Mima,T.et al.: "Somatosensory evoked potentials following proprioceptive stimulation of finger in man." Exp.Brain Res.111. 233-245 (1996)
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[Publications] Nagamine,T.et al.: "Movement-related slow cortical magnetic fields and changes of spontaneous MEG-and EEG-brain rhythms." Electroenceph.clin.Neurophysiol.99. 274-286 (1996)
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[Publications] Yonekura,Y.et al.: "Simplified quantification of regional cerebral blood flow with 99mTc-ECD SPECT and continuous arterial blood samping." Ann.Nucl.Med.10. 177-183 (1996)