1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670715
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飛松 省三 九州大学, 医学部, 講師 (40164008)
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Keywords | 脳磁図 / 視覚情報 / 並列処理 / ネットワーク解析 |
Research Abstract |
ヒトには大細胞系(運動視と立体視)と小細胞系(色覚と形態視)の並列的視覚情報処理機構が存在する。脳内の視覚情報の流れを時間分解能と空間分解能が優れている脳磁図(MEG)を用いて非侵襲的に研究した。 1)研究経過 a. 大細胞系と小細胞系を選択的に刺激する必要があったので、コンピューターで視覚刺激を作成するためのソフトを開発した。 b. MEGの測定条件の設定のため、正常被検者6名を対象として予備実験を行い、最良の視覚誘発脳磁界(VEF)が得られる条件、すなわち至適な視覚刺激、刺激視野の大きさ、MEGのセンサーの位置などの検討を行なった。 2)研究結果 a. オンラインでMEGのデータを処理しながら、センサーの位置を少しずつ変えて、最良の相関が得られる位置を模索するのが最適とわかった。このアプローチにより選択的視覚路刺激によるVEFの解析が円滑にできるようになった。 b. 得られたVEFから信号源の電流双曲子の3次元的位置の推定を行なった。後頭葉には明らかな信号源が認められ、その中での情報処理は判明したが、他の部位での情報処理に関しては、信号源の相関が低い、センサーの位置の問題などの解決すべき課題が残った。 c. 上記の視覚刺激以外に臨床でよく使われるパターン反転刺激によるVEFを記録し、主成分のP100やN145の電流双極子の位置が正確に推定できるかを検討した。p100のみならずN145も一次視覚野から発生している所見が得られた。従来の説では、N145は視覚前野由来とされており、今後検討を行う予定である。
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