1995 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症に伴う異常抗酸化酵素(SOD)遺伝子導入神細細胞の遺伝子発現
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07670725
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
上野 聡 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (40184949)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / SOD / 遺伝子 |
Research Abstract |
われわれは、まずFALSにおけるSOD遺伝子異常のスクリーニングをおこなった。臨床的にも早期から知覚の異常およびdecubitusの存在という点で弧発型ALSとは異なる特徴を有したFALSの遺伝子検索を行い、153アミノ酸配列のうち7番目のバリンがグルタミン酸に変異したSOD遺伝子異常を同定し、また酵素活性の低下も確認した。国内において見い出されたFALSの変異は、われわれの報告で4番目であり、外国ではその報告はない。また新たに84番目のアミノ酸であるロイシンがバリンへ変異した異常SOD遺伝子を発見した。変異SOD酵素cDNAをFALS患者末梢リンパ球RNAからRT-PCR反応によって増幅しクローン化した。RSVLTRをプロモーターとするpRc/RSVプラスミドベクターを用いて、リポフェクチン法によってラットPC12細胞に導入した。その結果15%程度の導入効率で遺伝子導入に成功し、ノーザンブロットおよびウエスタンブロット法によって変異SODの導入、およびその遺伝子発現を確認した。しかし、6ヵ月にわたる細胞培養では、低血清濃度、あるいはCO2濃度を変化させたが明らかな形態変化はなく、患者線維芽細胞および対照細胞に45℃、25分間の熱ショックを加え、その後7時間の培養を行う。この比較的短時間の直接ストレスを受けた患者細胞の遺伝子発現の変化を、HSP、SOD1あるいはいくつかのオンコジーンを指標にして正常細胞とのmRNA発現を比較した。その結果両者間で遺伝子発現の違いを示唆するいくつかのmRNA発現を確認した。
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