1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670736
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
酒井 宏一郎 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (70225754)
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Keywords | 傍腫瘍性神経症候群 / 自己免疫 / 神経蛋白 |
Research Abstract |
(1)肺小細胞癌に関連し、多彩な脳神経症状を呈する疾患の関連遺伝子ple21をHela細胞に対して遺伝子導入を試みた。細胞をG418で選択後、免疫細胞染色によりPLE21蛋白の安定した発現が確認され、ple21遺伝子の恒常発現細胞株を得ることができた。(2)ple21の3つのRNA認識領域をコードする塩基配列部分断片を発現ベクターに組み換え、大腸菌内に発現を誘導した組み換え体蛋白を作製した。これらの組み換え体蛋白の患者由来の抗神経細胞抗体に対する抗原性をwestern blottingにより検討した結果、いずれのRNA認識領域においても抗神経細胞核抗体との反応性が確認された。抗体との反応性は、第2RNA認識領域に最も強く、第1及び第3RNA認識領域についてはその反応性が弱いことが確認された。また、第1、第2RNA認識領域については、検索し得た全ての抗神経細胞抗体によって認識されることが確認されたが、第3RNA認識領域については、抗体の認識に症例による差異が認められ、この蛋白を認識しない抗体も存在することが明らかとなった。更に、ple21遺伝子の組み換え体蛋白PLE21のこれらのRNA認識領域が実際にRNAと結合し得るかについてgel mobility shift assayにより検討した。その結果、protooncogeneであるc-mycとc-fosの3ユ非翻訳配列に存在するAU-richelementとの結合が証明された。このelementが、mRNAの安定性に関与していることより、ple21蛋白が神経細胞においてこれらの遺伝子の発現の調節に関与している可能性が示唆された。(3)婦人科領域癌を伴う傍腫瘍性小脳変性症の関連遺伝子であるpcd17をGAL/1遺伝子の下流に組み換えた遺伝子を用いて、この遺伝子が転写活性化能を有することを見出した。
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Research Products
(1 results)