1995 Fiscal Year Annual Research Report
クッシング症候群の高血圧発症における中枢神経系の意義に関する研究
Project/Area Number |
07670746
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 潤 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (40133946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 圭志 東北大学, 医学部, 教授 (60004777)
井樋 慶一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60232427)
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Keywords | クッシング症候群 / 高血圧 / 心拍数 / 中枢神経系 / 日内リズム / ラット |
Research Abstract |
平成7年度の研究計画に基いて無麻酔、無拘束ラットを用いてデキサメサゾン慢性投与の24時間血圧に及ぼす影響を検討し、併せてtail-cuff法による血圧値によるそれとの比較を行った。その結果以下のことが明らかになった。 1)tail-cuff法によるとデキサメサゾン(dexa)投与群では対照群と比較しdexa投与開始24時間後から血圧上昇が認められた。 2)その後dexa投与群では血圧が漸増し7日目にプラトーに達した。この時2群間の血圧差は30mmHgであった。 3)dexa投与後10日目直接法にて24時間血圧をモニターした結果、dexa投与群では対照群と比較して測定の全経過を通じて15mmHgの血圧上昇を認めた。従ってdexa投与下での血圧増加はtail-cuff法による方が直接法によるよりも大きな値を示した。 4)dexa投与群でも血圧の生理的日内変動は保たれており、慢性的糖質コルチコイド投与が血圧の日内リズムに及ぼす影響はヒトとラットで異なることが示唆された。 本研究は当初の計画通り進行し上記のような知見が得られた。殊に平成7年度の本研究の成果は無麻酔、無拘束ラットにおいてデキサメサゾン慢性投与が24時間血圧プロフィールに及ぼす影響を検討した世界ではじめての報告であり、これらの成果の一部は今年度国際誌に掲載された(Clin Exp Hypertens 1995, in press)。従って本研究は着実に成果を挙げており、国内のみならず国際的にも高い評価がえられていると考えられる。
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