1995 Fiscal Year Annual Research Report
左室・動脈系の同期変動スペクトル解析による心不全の交感神経応答特性の研究
Project/Area Number |
07670769
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
麻野井 英次 富山医科薬科大学, 付属病院, 講師 (00150128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 修太郎 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (50146586)
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Keywords | 心拍変動スペクトル解析 / 自律神経機能 / 心不全 / 心臓交感神経活動 / 左室収縮性 |
Research Abstract |
申請者は独自に開発したRR間隔、左室圧、血流量の周期変動スペクトル解析のプログラムを用いて、心不全患者の自律神経機能を検討してきた。7年度上半期、本邦を心臓および筋交感神経活動の周期変動の解析に応用し、心血管系の応答性と対比するための解析プログラムを開発した。交感神経活動の心拍同期性を利用して、全波整流した交感神経電位をR波に同期させて積分し周波数解析を行った。これを同時に取り込んだ心電図、左室圧およびその微分波、左室容積、動脈圧の周波数成分と対比することにより神経活動と臓器応答性を検討した。下半期においてこの解析システムを用いて以下の検討を開始した。 臨床:1)腓骨神経のマイクロニューログラフィにより記録した筋交感神経活動の周波数解析と動脈圧の周期変動との対比:筋交感神経電位の0.1Hz近傍のスペクトルは、動脈圧とりわけ拡張期血圧の周期変動と良好な対応関係を示した。この所見は、動脈圧のスペクトル解析による筋交感神経活動の評価を可能とするもので、現在心不全と自律神経作動薬を対象とした検討を行っている。2)経皮的冠動脈形成術中にコンダクタンスカテーテルにより連続記録した左室圧容積の瞬時スペクトル解析:冠閉塞開始後約1分以内に左室圧の低周波成分が急激に増大し、2分後には減弱した。冠閉塞早期より心臓交感神経活動が亢進し、心筋虚血の進行とともに抑制される可能性が示唆された。現在虚血領域の違いとの関連性を検討中である 実験:1)犬を用いて心臓交感神経電位の周期変動、冠静脈洞ノルエピネフリン放出、および左室圧・容積の周波数応答との相互関係:臨床研究2)の基礎的研究として、左室圧、peak +dp/dt、Emaxなどの心収縮性の周期変動成分が心臓交感神経活動をどれだけ反映するかを検討中である。
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