1995 Fiscal Year Annual Research Report
家兎腎単離輸入細動脈灌流標本における虚血後再灌流障害に関する研究
Project/Area Number |
07670800
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
羽野 卓三 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90156381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 章 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (00228678)
塩谷 雅彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (90275355)
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Keywords | 家兎 / 再灌流 / 単離糸球体 / 輸入細動脈 / 血管内皮 |
Research Abstract |
心源性ショックなど一時的な血圧低下後、腎機能の低下することが知られている。しかし、腎において再灌流後の障害を微細動脈について直接的にみた成績は少ない。そこで、New Zealand White Rabbitの腎動脈閉塞と解除を行うことにより虚血後再灌流腎を作成し、単離輸入細動脈におけるノルエピネフリン収縮反応とアセチルコリンによる拡張反応をみた。その結果15分間の虚血のみの群では内皮依存の拡張反応と平滑筋の収縮反応は対照と比較して有意な差を認めず、形態的にも正常であった。15分間の虚血後30分間再灌流した群では内皮機能の消失と軽度の内皮細胞の膨化と空胞の増加、核間隙の増加等の変化を認めたが平滑筋のノルエピネフリンに対する反応性と細胞の形態は保たれていた。30分間の虚血後30分間再灌流した群は内皮拡張機能と平滑筋の収縮機能の亢進、内皮細胞の細胞膜の離開を認めたが、平滑筋細胞の組織学的な変化を認めなかった。以上より、虚血再灌流傷害は輸入細動脈において血管障害を短時間に来すこと、虚血再灌流傷害は内皮細胞より始まり、次いで平滑筋細胞に及び、機能的障害は形態障害と平行して進行したことが明かとなった。現在、この成果を基に、Superoxide dismutase、NO合成阻害薬であるL-NAME、カルシウム拮抗薬などによる再灌流障害の予防、抑制効果の評価についての研究を準備中である。さらに、蛍光色素を用いた細胞内カルシウム濃度の測定は、蛍光色素の負荷について技術的問題があり効率的な負荷方法について基礎的な検討を続けている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takuzo Hano: "DA1 receptor-mediated renin release from isolated rat glomeruli" Hypertension Research. 18. S141-143 (1995)
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[Publications] Akira Baba: "Prolonged time courses of intracellular calcium transient and contraction-relaxation in isolated left ventricular myocytes from spontaneously hypertensive rats" Heart Vessel. Suppl 9. 147-149 (1995)