1995 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生療法による側副血行発達のメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
07670809
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
竹下 聡 帝京大学, 医学部, 助手 (90271288)
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Keywords | angiogenesis / angiogenic grocoth factor / Collaterals / VEGF |
Research Abstract |
【方法】家兎の片側大腿動脈を外科的に摘出し、虚血肢モデル(N=41)を作成した。モデル作成から10日目(d0)に、外頸動脈よりカテーテルを挿入し、recombinant human VEGF(500-1,000μg)を1分間で単回、動脈内投与した。投与直前(d0)、および投与後3(d3)、5(d5)、7(d7)日目にosmotic pumpを皮下へ留置し、細胞周期S期のマーカーであるbromodeoxyuridine(BrdU, 25mg/kg)の24時間持続投与を行い、増殖細胞をlabelingした。ECの増殖性の変化は、虚血肢の大腿部側副路血管をLonglandの分類に従いstem, midzone, re-entryの3領域に分け、BrdUに対する免疫組織染織を用いて各領域におけるBrdU Index(Bl)=BrdU陽性のEC数/全EC数×100(%)を算出し、比較検討した。【結果】(1)stemまたはre-entry域におけるECのBIは、VEGF投与群と生理食塩水の投与を行った対照群との間に有意差を認めなかった。(2)一方、midzoneにおいては、VEGF群のBIはVEGF投与後3-5日目にかけて増加し(d0=1.78±1.53%; d3=1.56±0.87%; d5=4.25±1.19%)、5日目におけるBIは対照群(1.51±0.39%)の2.8倍に達した(p<0.05)。その後BIは低下し、7日目には対照群との間に有意差は認めなかった(2.81±1.27% vs 1.71±0.95%, p=NS)。(3)このようなBrdU陽性のECは、midzoneの中でも特に内径が20-100μmの比較的小さな動脈において最もよく認められた。(4)対側の非虚血肢大腿動脈におけるECのBIは、VEGF投与群、対照群の両群において0.1%以下と低値であった。【総括】VEGFがin vivoにおいてECに与える増殖促進作用は、midzone領域の比較的小さな側副路血管に特異的であり、内径>100μmの血管やstem、re-entry領域、非虚血部のECでは認められなかった。
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