1996 Fiscal Year Annual Research Report
血流波形解析による脳動脈硬化の早期定量的診断法の確立
Project/Area Number |
07670811
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Research Institution | The Jikei University, School of Medicine |
Principal Investigator |
藤代 健太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部・臨床検査医学, 講師 (90147348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 さやか 東京慈恵会医科大学, 医学部・内科学第4, 助手 (30256458)
和田 高士 東京慈恵会医科大学, 医学部・健康医学科, 講師 (00191825)
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Keywords | 脳動脈硬化 / 総頸動脈 / 中大脳動脈 / 超音波 / 血流量 / 血流速度 / 波形 |
Research Abstract |
総頸動脈血流量波形と中大脳動脈血流速度波形を定量評価し、その差異より脳動脈硬化の定量指標と成しうるか検討した。総頸動脈血流量波形は超音波定量的血流量測定装置(QFM)を用い計測した。中大脳動脈血流速度波形は経頭蓋骨的血流速度測定装置(TC2-64)より得た信号をQFMに入力し、5心拍加算した。当初ゼロクロス法で変換、後にスペクトルアナライザにてピーク波形を入力した。波形解析はデジタイザで波形をトレースして行った。波形の計測項目はGoslingのA/Bratio(A/B)とPulsatility index(PI)、収縮期第一峰の立ち上がり最大変化率(R)、第一峰から第二峰までの最大変化率(S)および平均変化率(C)、RとSの積の平方根(√(R×S))である。総頸動脈血流量波形と中大脳動脈血流速度波形を比較すると、若年例では総頸動脈波形、中大脳動脈波形とも同様のパターンを示すか、または中大脳動脈の方が収縮期第一峰と第二峰の比が小さいパターンを示し、総頸動脈に比べやや高齢者に近いパターンを示す。中、高年齢になるとその差が著しくなり、総頸動脈波形は50歳代であっても中大脳動脈は70歳代の波形を示すことが判明した。このように総頸動脈波形と、中大脳動脈波形の該当年代の差が開くものほど脳動脈末梢の動脈硬化が強いと考えられた。以上の変化を定量化し判断するにはA/B、R、S、C、√(R×S)の指標が有用であると思われた。脳血管障害例の総頸動脈波形、中大脳動脈波形の差異を検討すると、健常よりその波形の差異が顕著であると考えられた。
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