1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670854
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
上松 一永 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (60262721)
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Keywords | 免疫応答 / B細胞 / ヘルパーT細胞 / CD27 |
Research Abstract |
免疫グロブリン産生調節因子のなかで、CD27とCD70を介するB細胞とT細胞の直接的な接合の重要性をわれわれは見い出した。今年度の研究目的は、この分子群の機能解析を基盤に免疫グロブリン産生機構を解明することであり、以下のような知見ならびに今後の研究展開が見い出された。(1)成人末梢血B細胞はCD27陽性メモリーとCD27陰性ナイーブ細胞に分類され、臍帯血B細胞はナイーブのみから構成されている。ナイーブB細胞には、免疫グロブリン産生能はなく、免疫グロブリンはメモリーB細胞から産生される(改討中)。(2)IL-10存在下でCD27刺激はIgGサブクラス,IgM,IgA産生を相乗的に増強する(投稿中)。(3)IgE産生系においても重要な役割を担っている(投稿準備中)。(4)CD27分子を介する刺激はIL-2とIL-10の存在下でB細胞を強力に形質細胞(免疫グロブリン分泌細胞)に分化させる(投稿準備中)。(5)IL-2,IL-10およびCD40刺激により、ナイーブB細胞にCD27分子の発現を誘導できる。 以上の知見から、CD27/CD70相互作用は免疫グロブリン産生調節にきわめて重要であり、現在、原因が解明されていない低免疫グロブリン血症を伴う分類不能型免疫不全症やIgGサブクラス欠乏症の原因解明の一助になるものと思われる。今後の展開として、さらに、この基礎的研究を進めるとともに、異免疫グロブリン血症患児におけるB細胞上のCD27分子と活性化T細胞上のCD70分子の発現を検索し、免疫不全の解明を行いたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kazunaga Agematsu: "CD27/CD70 interaction directly drives B cell IgG and IgM synthesis" European Journal of Immunology. 25. 2825-2829 (1995)
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[Publications] Tetsuji Kobata: "CD27-CD70 interactions regulate B-cell activity by T cells" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 92. 11249-11253 (1995)
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[Publications] Feng-Chun Yang: "CD27/CD70 interaction directly induces natural killer cell killing activity" Immunology. 88. 289-293 (1996)