1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670879
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
園田 徹 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (70187897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 健一 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (60233251)
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Keywords | 抗けいれん剤 / カルバマゼピン / 催奇形性 / 心血管奇形 / 神経堤細胞 / 量・効果関係 |
Research Abstract |
抗けいれん剤の催奇形性と予防:『カルバマゼピンによる鶏胚での心奇形発生実験』で以下の知見が得られた。 White Leghornの受精卵に孵卵開始後72時間(Humberger and Hamiltonのstage 20)にカルバマゼピンの3mg、5mg、7mg、10mgを投与すると、 1)鶏胚の死亡率はそれぞれ26.7%、43.0%、46.4%、75.7%であり(コントロールではそれぞれ10.9%。15.2%、6.9%、17.9%)、コントロールよりも有意に高頻度であった。Y=6.7x+6.3(R=0.97,p<0.05)の有為な量・効果関係(dose-dependent effect)を認めた。 心血管奇形の発生は生存鶏胚中のそれぞれ37.8%、57.5%、78.8%、88.0%であり(コントロールではそれぞれ12.2%、16.1%、16.7%、15.2%)、コントロールよりも有意に高頻度であった。Y=7.2x+20.1(R=0.97,p<0.05)の有為な量・効果関係を認めた。 3)発生する心血管奇形は大部分が漏斗部心室中隔欠損であり、そのほかに左第4大動脈遺残、右第6大動脈弓低形成を含む大動脈弓の異常、両大血管右室起始を認めた。 4)認められた心血管奇形はいずれも神経堤細胞の遊走異常に由来する考えられる奇形の範疇に含まれ、心室中隔欠損は欠損孔の場所によって発生原因が異なるという仮説を支持する結果であった。 5)鶏胚を使用することによって母体(母獣)を介さないCBZの直接的な催奇形性を確かめることができた。 6)有為な量・効果関係を認めたことから、1回の投与量を減少させればヒトにおける催奇形性も減少できる可能性がある。
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