Research Abstract |
現在まで保存されている,RSウイルス感染乳幼児のNPS中のIL1β,IL-6,IL-12,TNF-α,IFN-γなどのサイトカイン活性について酵素抗体法(ELISA)法にて測定した.IL-1β,IL-6,TNF-αなどは急性期に有意な活性が検出され,回復期には低下する傾向が明かであり,その病態,回復の過程における何らかの関与が推測された.一方,IL-12やIFN-γ活性は検出されなかった. NPS中のIL-6活性と,RSウイルス特異的IgA,IgG抗体活性との関係について検討したが,いずれも有意な相関関係は見いだせなかった.臍帯血より得た単球を数日間培養することでマクロファージ化したものに,RSウイルスを感染させた場合,有効に感染し,感染性ウイルスを作り出すことが明かとなったが,その培養条件,感染実験条件などを確立した. 続いてこの系に,RSウイルス特異的単クローン抗体(抗fusion protein,抗large glycoprotein,抗nucleoprotein抗体など)と反応させたウイルス(免疫複合体)を作用させた場合のサイトカイン誘導について検討したが,一定の結果を得る事ができなかった.それで平成8年度は,この系を用い,感染性ウイルスと,紫外線不活化ウイルスを作用させた際の,サイトカイン活性と,細胞中のmRNAの出現の動態について明らかにしていくことにする.
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