1995 Fiscal Year Annual Research Report
小児リウマチ性慢性疲労症候群(仮称)の疾患概念の確立と発症頻度の調査
Project/Area Number |
07670885
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
相原 雄幸 横浜市立大学, 医学部・小児科, 講師 (50211686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 俊平 横浜市立大学, 医学部・小児科, 講師 (10158363)
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Keywords | 小児リウマチ性慢性疲労症候群 / 疾患概念 / 抗核抗体 |
Research Abstract |
1。臨床症状の解析:14症例について検討したところ9割以上は女児で10歳以降に多く、全身倦怠感、易疲労感の出現頻度が最も高く、ついで発熱・関節痛や頭痛が続き、長期通学不能や不登校の頻度が高率に認められた。 2。検査所見の解析:一部で高γーグロブリン血症、リウマトイド因子陽性、赤沈値亢進などの所見が観察された。他の自己抗体の出現は認められず、補体は正常範囲内で、一部の症例で蛋白尿・血尿が一過性に認められた。EBウイルス感染は持続感染例はなかった。 3。精神心理の検討:脳波検査、心理テストなどでは特徴的所見は認められなかった。 4。抗核抗体の抗原解析:抗原としてSm,SS-A/SS-B、RNPなどの核質蛋白を検討したがいずれも陰性であった。ヒストンを用いELISA法およびWestern blotting法にて抗ヒストン抗体の特徴を現在も検討中である。 5。免疫学的検索:リンパ球サブセット、NK活性、末梢リンパ球のサイトカイン産生能などについて現在検討中である。 6。家族歴、HLA解析:家族内、とくに母親を検索したところ、約30%に抗核抗体が検出された。これらの血清につき抗ヒストン抗体をELISA法、Westernblotting法にて検索するとともに、母児についてHLA genotypeの検索を行い、疾患との関連を明かにする。 7。「診断の手引」の作製:以上の検討項目から本症の診断に有用な所見を組合せ、仮りの診断基準を現在検討中である。
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