1996 Fiscal Year Annual Research Report
小児リウマチ性慢性疲労症候群(仮称)の疾患概念の確立と発症頻度の調査
Project/Area Number |
07670885
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Research Institution | YOKOHAMA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
相原 雄幸 横浜市立大学, 医学部・小児科, 講師 (50211686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 俊平 横浜市立大学, 医学部・小児科, 講師 (10158363)
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Keywords | 小児リウマチ性慢性疲労症候群 / 疾患概念 / 抗核抗体 |
Research Abstract |
小児リウマチ性慢性疲労症候群(仮称)の疾患単位の確立 小児リウマチ性慢性疲労症候群(仮称)の疾患単位の確立のために臨床症状ならびに検査所見などについて詳細な解析を実施した。23症例について検討したところ1例を除きすべて女子(96%)であった。また、姉妹例が2組認められた。発症年齢は5〜16歳、平均11歳と4か月であり、23名中15名(65%)は10歳以降であり、小学生高学年から中学生に多かった。患者の臨床症状としては一定のものは認められなかったが、そのなかでも特に発熱13例(57%)、関節痛13例(57%)、全身倦怠感・易疲労感11例(48%)の出現頻度が高く、ついでや頭痛8例(35%)が続き、長期通学不能や不登校の症例が多く認められた。検査所見の特徴としては抗核抗体が全症例で陽性であり、抗体価は40倍〜640倍であったが、40倍から160倍程度と比較的低値であった。染色パターンとしてはhomogeneous/speckledタイプが23例中22例(96%)であった。その他の検査所見としては一部で高γ-グロブリン血症、リウマトイド因子陽性、赤沈値亢進などの所見が観察された。また、他の自己抗体は検索した範囲では認められず、補体は正常範囲内で、一部の症例で蛋白尿・血尿が一過性に認められた。EBウイルス感染の関与については持続感染例は認められなかった。その他脳波検査、心理テストなどでは異常所見は認められなかった。次に家族歴とくに母親血清の抗核抗体を検討したところ、11例(48%)に検出された。抗体価は40倍から80倍と極めて低値であった。染色パターンはすべてhomogeneous/speckledタイプであった。また、一部には子供と同様の臨床症状を呈する母親も認められた。また、抗核抗体の抗原解析を現在も継続中であり、これまでの検討ではSm,SS-A/SS-B、RNPなどの核質蛋白についてはいずれも関連性は認められなかった。さらにHep-2細胞を用いたWestern blotting法にて特徴的なバンドの有無を検討している。 さらに、「診断の手引き」については、本症の診断に有用な臨床症状ならびに検査所見を再度検討し、診断基準としての検討を続行している。
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Research Products
(1 results)