1995 Fiscal Year Annual Research Report
Detachable coilを用いた動脈管開存閉鎖術に関する前方視的研究
Project/Area Number |
07670896
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
井埜 利博 順天堂大学, 医学部, 講師 (60138261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 志保理 順天堂大学, 医学部, 助手 (10204710)
西本 啓 順天堂大学, 医学部, 助手 (90180653)
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Keywords | 動脈管開存症 / コイル塞栓術 / detachable system / カラードプラー |
Research Abstract |
<研究実績の概要> 平成6年10月〜平成7月12月までに動脈管開存症(PDA) 15例に対してコイル塞栓術を施行した。ここではその中期成績を有効性と安全性の面からprospectiveに検討したので報告する。対象患者は2歳から14歳の15例で、PDAの最小径は1mmから3.5mmであった。使用コイルは径5mmまたは8mmで4-5ループのlong coilで、PDA径の2倍以上の径のコイルを選択し、4例にdatachable systemを用いた。コイルの留置は14例で径大動脈的に、1例で経肺動脈的に行った。術後は翌日,1週,1ヶ月,3ヶ月,6ヶ月および1年後にカラードプラー検査にて残存短絡および肺動脈狭窄について評価した。その結果、2例でコイルが脱落したが,いずれも回収後に再度試み,留置に成功した。1例(detachable system使用)では当初経大動脈的に試みたがコイルが流出するため離脱せずに回収し,経肺動脈的に留置した。他の12例では1回の手法で良好に留置できた。うち10例は留置直後より短絡は消失した。5例にカラードプラー検査により痕跡程度の残存短絡を認めたが3ヵ月以内に自然消失した。3-12ヵ月間のカラードプラー検査では有意な肺動脈狭窄の出現は無かった。 longcoilを用いた動脈管コイル塞栓術は有効かつ安全な治療法と思われる。detachable systemはコイルの流出や脱落の危険性を未然に回避し得るため安全性が高い。従って今後、本法は外科的結サツ術および切離術に代わる有用な治療法になり得ると思われるが、金属コイルが永久的に体内に異物として残存するため、その長期的な予後については十分な経過観察期間を要する。
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Research Products
(1 results)