1995 Fiscal Year Annual Research Report
末梢リンパ球を用いての家族性高コレステロール血症の簡便な診断法の開発
Project/Area Number |
07670900
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
児玉 浩子 帝京大学, 医学部, 助教授 (00093386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 豊 帝京大学, 医学部, 講師 (20188923)
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Keywords | LDLレセプター活性 / リンパ球 / 家族性高コレストロール血症 / 診断 |
Research Abstract |
家族性高コレステロール血症のヘテロは500人に1人と発症頻度が高いにもかかわらず、今まで有効かつ簡便な診断法がなかった。今研究では培養リンパ球のLDLレセプター活性測定法を検討すると共に、本症の診断に応用出来るかを検討した。対象および方法:対象として健康成人、小児(1-16歳)、および家族性高コレステロール血症と考えられる高コレステロール血症の成人、小児のリンパ球を用いた。方法はまず比重遠心法で得られたリンパ球をfatty-acid freeのRPMI培地で培養した。培養したリンパ球(1×10^5cell)にあらかじめDiI標識をしたLDLを1μg加え37度で2時間反応させ、洗浄後リンパ球に取り込まれたDiIの蛍光強度(MIF)をフローサイトメトリーで測定した。結果および考察:正常成人の蛍光強度の平均は約400であった。測定サンプルのLDLレセプター活性を健常者コントロールとの対活性で表した場合ほとんどの正常成人の値は80-120%と正常範囲を設定することが出来た。さらに血清脂質値や家族歴から高コレステロール血症のヘテロと考えられる成人のリンパ球LDLレセプター活性の多くは40-80%と正常値に比べ有意に低下しており、本方法が家族性高コレストロール血症の成人の診断に有用であることが明らかになった。小児に関しては対照となる小児のリンパ球LDLレセプター活性は成人に比べ低く、さらに人によりばらつきが多く、健常成人値の20-100%を示した。また家族性高コレストロール血症と考えられる小児の値は成人の正常値と比較すると有意に低下していたが、同年齢の正常値に比べ有意に低下していると断定出来なかった。以上の結果より本法は成人の家族性高コレステロールの診断に有用であるが、小児に関しては症例数を増やして、さらに検討する必要があると考えられた。
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