1996 Fiscal Year Annual Research Report
脳血液関門破壊性サイトカイン誘導ベクターによる脳変性疾患の遺伝子治療開発の試み
Project/Area Number |
07670903
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Research Institution | The Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
井田 博幸 東京慈恵会医科大学, 医学部・小児科, 講師 (90167255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衛藤 義勝 東京慈恵会医科大学, 小児科, 教授 (50056909)
長谷川 頼康 東京慈恵会医科大学, 小児科, 助手 (60256435)
大橋 十也 東京慈恵会医科大学, 小児科, 講師 (60160595)
大野 典也 東京慈恵会医科大学, 微生物第一, 教授 (60147288)
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Keywords | 脳血液関門破壊 / ゴ-シェ病 / ニーマンピック病 / 酵素補充療法 / SSCP法 / 骨髄移植 / 胎児造血幹細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳血液関門破壊による脳変性疾患の遺伝子治療である。これに先立ち昨年度までに、ゴ-シェ病とニーマンピック病患者の神経型の遺伝子解析を行い、神経症状とlinkする遺伝子変異を明らかにした。本年度は、神経型ゴ-シェ病の不明遺伝子変異を明らかにするためのSSCP法を用いて、更に遺伝子解析を行い臨床症状との相関を検討した。 対象は、日本人神経型ゴ-シェ病25例(タイプ2:11例、タイプ3:14例)である。タイプ2の発症年齢、死亡年齢はそれぞれ新生児〜11ヶ月(平均4.7ヶ月)、新生児〜21ヶ月(平均12.7ヶ月)であった。酵素補充療法を行ったタイプ2型2例では、神経症状の改善は認められなかった。SSCP法にて同定された1447-1466del 20 ins TG変異をもつ症例は重症であった。タイプ3については、スウェーデン人ゴ-シェ病では、タイプ3aにlinkするL444P/L444Pのgenotypeは日本人では、タイプ3bにlinkしていた。酵素補充療法を施行したタイプ3b2例において神経症状の改善は認められなかったが、骨髄移植を施行したタイプ3b1例においては、神経症状の改善が認められた。 以上より、胎児造血幹細胞を用いた遺伝子治療は、酵素補充療法では、克服できない脳変性疾患の神経症状を改善する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ida H,Rennert OM,et al: "Identification of three novel mutations in the acid sphingomyelinase・・・" Hum Mutat. 7. 65-68 (1996)
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[Publications] Ida H,Rennert OM,Ito T.,et al: "Clinical and genetic studies of five fatal cases of Japanese Gaucher・・・" Acta Paediatr Jpn. 38. 233-236 (1996)
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[Publications] Ida H,Rennert OM,: "Mutation screening of 17 Japanese patients with neuropathic Gaucher・・・" Hum Genet. 98. 4294-4296 (1996)