1996 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧における肺静脈血エンドセリンと一酸化窒素代謝物の検討
Project/Area Number |
07670919
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
寺口 正之 関西医科大学, 医学部, 助手 (50257937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高屋 淳二 関西医科大学, 医学部, 助手 (80247923)
池本 裕実子 関西医科大学, 医学部, 助手 (50278610)
荻野 廣太郎 関西医科大学, 医学部, 講師 (40131429)
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Keywords | 先天性心疾患 / 肺高血圧 / エンドセリン(ET-1) / 一酸化窒素(NO) |
Research Abstract |
対象は,心臓カテーテル検査を施行した先天性心疾患患児50例である.主肺動脈・左室で採血した検体の血漿ET-1およびNO_xと血行動態因子との関係を検討した.平均肺動脈圧20mmHg以上の例を肺高血圧群(PH群),それ以下の例を非肺高血圧群(non-PH群)とした. 1)血漿ET-1,NO_x値は何れも採取部位による差はなかった. 2)PH群19例,non-PH群31例について,血漿NO_xはPH群で2.41±1.13ppm,non-PH群で1.56±0.71ppm,血漿ET-1はPH群で3.36±2.08pg/ml,non-PH群で1.94±0.81pg/mlであった.血漿ET-1,NO_xはPH群でnon-PH群に比し有意に高値であった.(p<0.01) 3)肺動脈圧と血漿ET-1,NO_xは正の相関関係を示した.平均肺動脈圧は血漿ET-1とはr=0.403,NO_xとはr=0.42であり,体肺動脈圧比は血漿ET-1とはr=0.55,NO_xとはr=0.43であった.(p<0.01) 4)PH群について検討した.血漿NO_xは,肺血管抵抗と有意の相関関係を示した(r=0.55,p<0.05)が血漿ET-1と肺血管抵抗との相関はみられなかった.血漿ET-1は,肺体血流比と有意に相関していたが(r=0.68,p<0.01),血漿NO_xと肺体血流比との相関はみられなかった. 5)心疾患根治術術後の10例について検討した.このうちPH群,non-PH群は各々5例であった.PH群ではnon-PH群に比し有意に血漿NO_x値が高値であったが(PH群;3.05±1.32ppm,non-PH群;1.4±0.64ppm,p<0.05)血漿ET-1については有意差はなかった. (考察)先天性心疾患による肺高血圧においては,血管作動性物質であるET-1およびNOは何れも産生の亢進がみられる.しかし,その分泌刺激機転は同じではなく,ET-1は肺血流量の増加によって,NOは肺血管抵抗の増加によって産生分泌を刺激されるのではないかと推察される.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masayuki Teraguchi: "Multiple hepatoblastomas associated with trisomy 18 in a 3-year-old girl" Pediatric Hematology and Oncology. (in press). (1997)
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[Publications] Yumiko Ikemoto: "Early changes in plasma brain and aterial natriuretic peptide in premature infants : correlation with pulmonary arterial pressure" Earlly Human Development. 46. 55-62 (1996)
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[Publications] Shunji Nogi: "Direct Transaortic Balloon Valvuloplasty under Cardiopulmonary Bypass for Neonatal Critical Aortic Stenosis" Cardio Vascular and Interventional Radiology. 19. 374-376 (1996)
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[Publications] 荻野廣太郎: "川崎病における^<123>I-metaiodobenzylguanidine(MIBG)心筋イメージングの検討" 日本小児循環器学会雑誌. 12・1. 16-24 (1996)