1995 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン線維形成における新しい細胞外マトリックスタンパク質の機能と性状
Project/Area Number |
07670931
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
新海 浤 千葉大学, 医学部, 教授 (90030957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 啓 千葉大学, 医学部, 助手 (90225300)
築藤 玲子 千葉大学, 医学部, 助手 (70218048)
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Keywords | 22Kタンパク質 / デルマトポンチン / ECM / コラーゲン / デコリン |
Research Abstract |
2kgの子ウシ皮膚から4Mグアニジン塩酸塩を含む中性緩衝液中で可溶化された分子を各種クロマトグラフィー(DEAE-イオンクロマト、分子篩クロマト、高速液体クロマト、逆相クロマト)により分子サイズ22KDのタンパク質を単離した。各種タンパク質分解酵素により分解されたペプチドを逆相クロマトグラフィーにより、ペプチドを分離した後、アミノ酸配列を決定した。N-末端アミノ酸はpyrgluであり、183残基のアミノ酸から構成され、Tyrに富むユニークなタンパク質であった。デた-べ-すからホモロジー検索したところ、過去に報告のあった22KDタンパク質、デルマトポンチンと97%の類似性を有し、同一種属であることが判明した。 コラーゲン線維との関連を知るために、C-末端の12残基のアミノ酸よりなるペプチドを合成し、家兎に免疫し、抗体を得た。本抗体を用いてコラーゲン線維蓄積を生じる強皮症患者皮膚を用いて免疫組織学的検討を行い、コラーゲン線維間に本分子が存在することが判明した。コラーゲン線維とデコリンが親和性をしめすことから、デコリンとの相互作用を見るために、本分子とデコリンの結合様式をCsCl密度遠心法によりグアニジン存在下、あるいは非存在下での会合を検討し、本分子とデコリンは、タンパク質部分を介してイオン的結合を行うことが推測された。皮膚の本抗体を用いた免疫組織化学により、血管内皮細胞にも本分子の発現が観察されたことから、培養線維芽細胞、培養血管内皮細胞によりこの抗体と共沈する分子があることが判明し、培養血管内皮細胞が合成する分子は培養線維芽細胞が合成する分子に比べて分子サイズが若干小なることが、判明した。以上のことから我々が見出した22KDタンパク質はコラーゲン線維形成と深く関わる分子であり、本分子の異常は先天性結合組織異常症の1原因ともなりうることが推測され、現在その分子を欠損するKOマウスを作製中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Okamoto,O., Suzuki,Y., Kimura,S., Shinkai,H.: "Extracellular matrix 22-kDa protein interacts with decorin core protein and is expressed in cutaneous fubrosis" J.Biochemistry. 119. 106-114 (1996)