1995 Fiscal Year Annual Research Report
走査電子顕微鏡とX線元素分析装置を用いたヒト角化細胞における角化メカニズムの研究
Project/Area Number |
07670936
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
大竹 直人 山梨医科大学, 医学部, 講師 (40194188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 勉 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20219132)
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Keywords | 走査電子顕微鏡 / X線元素分析 / 爪甲 / 表皮 / 角化細胞 |
Research Abstract |
走査電子顕微鏡で正常ヒト爪甲の表裏を観察したところ、表面は角化細胞が平坦に重なり合っていたが、裏面は縦に凹凸を示し波状を形成するように重なり合っていた。また、爪甲の表裏を同じ条件で元素分析を行い、X線の強度を200秒間測定した。その結果、表面では炭素が153655±17598カウント、イオウが8943±1665カウントで、炭素に対するイオウの比は0.0596±0.0166であった。一方、裏面では炭素が182295±45361カウント、イオウが4034±1022カウントで、炭素に対するイオウの比は0.0222+0.00024であった。このことから、炭素の含有量は爪甲の表裏でほとんど差が認められなかったが、イオウ含有量は裏面に比べて表面の方が約2倍多く、炭素に対するイオウの比で比べると、その違いがより明かであった。 正常ヒト表皮を元素分析すると角化細胞は角化に伴って、イオウの含有量が増加することが推測された。しかし、カルシウムの含有量は少量のためか、十分に測定することができなかった。 正常ヒト表皮のカルシウムの検索している時に、カルシウムと関係がある蛋白質の1つであるジストロフィンが角化細胞に存在していることに気付いた。そこで、ジストロフィンに対する抗体を用いて蛍光抗体法と、免疫電子顕微鏡法を用いて、ジストロフィンが角化細胞のデスモゾームに局在していることを明かにすることができた。
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