1995 Fiscal Year Annual Research Report
無血清培養下における血管内皮細胞の管腔形成過程を制御する因子群の解析
Project/Area Number |
07670946
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸田 憲一 京都大学, 医学研究科, 講師 (80159045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 裕治 京都大学, 医学研究科, 講師 (70144376)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 無血清培地 / 分化 / 管腔形成 / 細胞外基質 |
Research Abstract |
我々は、かつて樹立したマウス皮膚由来血管内皮細胞株F-2(Cancer Res. 50, 5526, 1990)の培養条件を変化させ、血清濃度を漸減させることにより、完全無血清培地コスメヂウム001(COS)内で増殖可能な亜株F-2Cを樹立した。F-2CはCOS内で良好に増殖するのみならず、コンフルエントになった後、自発的に分化し、管腔構造を形成すること、すなわち、F-2Cは血管新生の新たなin vitroモデルになり得ることが明らかととなった。また、このF-2Cによる管腔構造の誘導はCOS内に1%の血清を添加することにより完全に抑制されることより、血清中に何らかの管腔形成抑制因子の存在が予見された。また、この管腔構造の誘導に対応して、F-2C細胞下に細胞外基質、特に4型コラーゲンとラミニンの沈着が著名に増加し、この沈着は、血清添加により抑制されることより、F-2Cによる管腔構造の誘導は、細胞下における基低膜成分の沈着が重要であることが示唆された。また、F-2Cによる管腔形成に伴い、その条件つき培養液内には、メタロプロテアーゼ、とくにMMP2とMMP9の活性化が関与する可能性も示された。この酵素活性は、無血清培養下で、実際に認められ、4、5型コラーゲンをはじめとする複数の細胞外基質の完全あるいは部分的な分解を実現した。また、この分解活性は、血清添加により抑制された。F-2Cの増殖あるいは管腔形成誘導は、既知の各種血管新生促進あるいは抑制物質群に対して、それぞれ促進あるい抑制的に反応することが示され、この細胞株が血管新生作用物質のモニターに有用かつ簡便なモデルを提供することが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 戸田憲一: "血管内皮細胞と皮膚アレルギー" 興和医報. 38. 34-40 (1995)
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[Publications] 戸田憲一: "光アレルギー反応と光毒性反応" アレルギーの臨床. 194. 24-27 (1995)
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[Publications] Matsuyoshi N, et al: "Soluble E cadherin, a novel cutaneous disease marker." Br J Dermatol. 132. 745-749 (1995)
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[Publications] Nakamura H, et al: "Adult T cell leukemia-derived factor/human Thioredoxin Protects endothelial Cell F-2 Cell injury Caused by activated neutroiphils or hydrogen poraxde." Immunolgy Let.42. 75-80 (1994)
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[Publications] 戸田憲一,他: "血管新生と皮膚疾患" 皮膚病診療. 16. 564-568 (1994)
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[Publications] Yamada Y, et al: "Enhanced therapeutic effects on nurine melanoma andangiosarcoma cells by boron neutron capture therapy using boronated metalloporphyrin" Kobe J. Med. Sci.40. 25-37 (1994)