1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670947
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米田 耕造 京都大学, 保健診療所, 助手 (60260626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 敬治 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40252431)
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Keywords | ロリクリン / 皮膚角化異常症 / トランスグルタミナーゼ1 |
Research Abstract |
ロリクリンはCEの主要成分でありその発現はケラトヒアリン顆粒より始まり次第にcornified cell envelope(CE)に組み込まれていく。また皮膚の角化異常性疾患は遺伝性角化症と非遺伝性角化症に大別されるが遺伝性角化症に属する疾患のうち現在遺伝子レベルでの異常が解明されているのは、水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症、葉状魚鱗癬、掌蹠角化症の一部およびシェグレン、ラルソン症候群のみである。ロリクリンはCEの主要成分であるのでロリクリンの発現異常がある種の角化異常症の原因である可能性は非常に高いと考えられる。ロリクリンの発現異常の存在する疾患が見つかれば、その疾患を持つ患者よりDNAを単離しロリクリンのコントロールエレメントのポイントミューテーションを発見することは診断、治療のみならず将来の臨床応用に多大な貢献をするものである。我々の研究目的は、CEの形成過程におけるロリクリンの発現調節を調べることにより皮膚の遺伝性角化異常症の分子機構の解明に寄与することである。我々は世界で最初にロリクリントランスジェニックマウスを作成した。我々のトランスジェニックマウスでは、ヒトロリクリンは組織特異的、分化特異的に発現していた。本研究はこの知見を基にロリクリンの発現調節の研究を行おうとするものである。平成7年度は、ロリクリン遺伝子の5′上流域(約8.6kb)介在配列(プロモーター)のシークエンスを行った。またコンピュータープログラムを用いてAP-1エレメント、カルシウム反応性エレメント、ステロイドホルモンエレメントなどが存在するかどうかを検索した。またトランスフェクション用の種々のコンストラクトの作成と発現調節に関与しているコントロールエレメントの同定を行った。今後ロリクリンがCEに組み込まれる過程においてトランスグルタミナーゼ1がどのように関わっているかも明らかにすることにより、総合的にロリクリンの発現を調べていく予定である。
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[Publications] Yoneda, K.: "The human loricrin gene" J. Biol. Chem.267. 18060-18 066 (1992)
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[Publications] Yoneda, K.: "The cornified cell envelope: loricrin and transglutaminases" J. Dermatol.19. 761-764 (1992)
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[Publications] Yoneda, K.: "The over-expression of human loricrin in transgenic mice produces a normal phenotype" Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 90. 10754-10758 (1993)
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[Publications] Yoneda, K.: "Atopic retinal detachment" Br. J. Dermatol.133. 586-591 (1995)
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[Publications] Kim, S. -Y.: "Expression of transglutaminase1 in human epidermis" J. Invest. Dermatol.104. 211-217 (1995)
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[Publications] Steinert, P. M.: "Expression of transglutaminase1 in keratinocyte" J. Invest. Dermatol.(in press).