1995 Fiscal Year Annual Research Report
強免疫原性黒色腫抗原ペプチドとHLA結合に関する解析ならびに特異的T細胞株の樹立
Project/Area Number |
07670948
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林部 一人 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (40198875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 博 神戸大学, 医学部, 教授 (40116249)
市橋 正光 神戸大学, 医学部, 教授 (00030867)
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Keywords | 悪性黒色腫 / 抗腫瘍免疫療法 / ワクチン / 黒色腫関連抗原 / 遺伝子工学 / 組み換え蛋白質 / 主要組織適合抗原 |
Research Abstract |
当研究計画の初年度として、強免疫原性ヒト悪性黒色腫抗原および、2のコードする遺伝子の組織分布を皮膚においては、黒色腫細胞にほぼ限局している事を確認した上で、黒色腫患者血清中の当該抗原に対する抗体価を測定した。高力価群と低力価群に分類し、とくに高力価を示す患者群内でのHLA パフロタイプを血清学的に解析し特有のHLA typeと相関があるのかを検討した。その結果、本邦ではHLA-A33が有意に高力価と相関することが判明した。 臨床上の観察として、当組み換え抗原の能動免疫療法中の抗体価の変動および併用するインターフェロンの効果を検討した。現状ではインターフェロン・ベータの併用の効果は抗体価の上昇としてはあらわれず、In Vitroにおいてインターフェロン・ベータが示した培養細胞における抗原発現増強作用の結果と単価には合致しなかった。また、課題であるAutologous systemによる細胞障害活性の測定は、患者からの黒色腫およびリンパ球の同時樹立が困難なため、平成6年度における1例にとどまっているが、今後も継続する予定である。 当組み換え蛋白抗原特異的T細胞株の樹立に関しては、患者末梢血リンパ球および腫瘍浸潤リンパ球を用いてIL-2存在下に末梢リンパ球(irradiated)をfeederとして施行しているが、当初のリンパ球数拡大には有用であるが、clonalな拡大には及ばないことが判明した。諸報告を参照してIL-6などの添加が有用ではないかと考えている。とくにHLA-A33の患者で行う必要性があるかもしれない。臨床成績ではstage TVの患者においても、当能動免疫療法の施行群では現在のところ再発例はない。
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Research Products
(1 results)