1995 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胎児皮膚を用いたExfoliative toxinの表皮剥脱機序の解明
Project/Area Number |
07670949
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荒田 次郎 岡山大学, 医学部, 教授 (70033082)
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Keywords | anionic site / cell-cell adhesion / development / embryonic skin / exfoliative toxin / intraepidermal cleft / negative charge / polyethyleneimine |
Research Abstract |
マウス胎児皮膚の分化に伴い,ET感受性部位が変化していくことが観察された。すなわち,(1)ETによる表皮裂隙形成は,胎生13日では認められなかった。(2)胎生14,15日では基底層直上に,(3)胎生16〜18日では有棘層〜顆粒層に認められた。(4)生後2日になると裂隙形成は顆粒層に限局するようになった。マウス胎児皮膚の分化に伴い,表皮内陰性荷電の分布が変化していくことが観察された。(1)表皮内陰性荷電は胎生13日ではほとんど認められなかった。(2)胎生14,15日では表皮全層に,(3)胎生16〜18日では基底層以外の全層に認められた。(4)生後2日になると陰性荷電は顆粒層に限局するようになった。表皮内陰性荷電が表皮細胞間の接着に関与している可能性が示唆された。すなわち,陽性に荷電した粒子であるポリエチレンイミンを表皮内に浸透させたところ,(1)胎生15日の表皮では基底層直上に,(2)生後2日の表皮では顆粒層に裂隙形成が認められた。以上の結果より,ETによる表皮裂隙形成と表皮内陰性荷電分布が胎生期皮膚の分化と密接な関連を有していることが明らかとなった。表皮内陰性荷電が細胞間の接着に関与している可能性が示唆され,さらにETによる表皮裂隙形成部位と表皮内陰性荷電分布とがほぼ一致することから両者の密接な関係も示唆された。問題点としては,両者の関係を論じるにはまだデータが不足している点である。今後は電顕的観察を行い,両者の関係につき更に検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)