Research Abstract |
材料:T細胞株3株[HUT78,HUT102(HTLV-1+),MTY6-10(HTLV-1+)],B細胞株6株[Raji,Ramos,Daudi(EB+),MTB-1,TJA,TJMA(EB+,HTLV-1+)],前赤芽球株1株(K562),単球性白血病由来細胞株1株(U937),扁平上皮がん由来株1株(Colo16),悪性黒色腫由来細胞株3株(MM8.1,MM28,MM33.1)を用いた. 方法:PCRのプライマーとしてはP53に関してはexon5,exon6,exon7,exon8,9領域を,p16はexon2,exon3領域を,p15はexon1,exon2領域を,p21はexon2,exon3領域を,p27はexon1領域を増幅するものを合成した.PCR法はPerkin ELMER社のDNA Thermal Cyclerを用いて(94℃1分,61℃1分,72℃30秒を40サイクルあるいは94℃1分,58℃1分30秒,72℃1分を40サイクル),PCR-SSCP法はPharmacia社のPhast Systemを用いて,至適条件にて行った.p53exon5,exon6,exon7,exon8,9,p16exon2,exon3についてはPCR法,PCR-SSCPにて検討した.p15exon1,exon2,p21exon2,exon3,p27exon1についてはPCR法のみで検討した. 結果:HTLV-1陰性のT細胞株であるHUT78はp16exon2,exon3の欠失が,前赤芽球株であるK562にはp16exon2,exon3,p15exon2の欠失が,EB陽性のB細胞株Raji,Ramosにはp53に変異が認められた.単球性白血病由来細胞株U937にはp53exon5とp16exon3とに変異が認められた.悪性黒色腫由来の3株についてはp16はexon2,exon3領域,p15はexon1,exon2領域に欠失が認められた. 結論:造血器悪性腫瘍では,グリオーマ,悪性黒色腫等とは異なり,p53,p16(CDKN2/MTS1),p15(MTS2),p21(WAF1/CIP1),p27(KIP1)遺伝子の欠落の頻度は高くはなかった.
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