1997 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚悪性腫瘍、特に悪性リンパ腫の発癌遺伝子に関する研究
Project/Area Number |
07670958
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
長谷 哲男 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (70156305)
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Keywords | 悪性黒色腫 / 悪性リンパ腫 / p53 / p16(CDKN2) / p21(WAF1 / CIP1) / IRF-1 / IL-1 / IFN-β |
Research Abstract |
悪性黒色腫,皮膚悪性リンパ腫では,他の悪性腫瘍では高頻度に見られる癌抑制遺伝子のp15,p16,p53の欠損や変異はPCR法,PCR-SSCP法では認められなかった.しかし,免疫組織化学法では,有棘細胞癌に高頻度にp53の発現が認められ,日光角化症でも高頻度にp53の発現が認められた.すなわち,有棘細胞癌ではその前癌段階である日光角化症ですでに, p53の遺伝子異常が認められた.実際,日光角化症で高頻度にp53の発現が認められた2例では,その後有棘細胞癌のリンパ節転移が早期に確認され,予後も不良であった.このことは,日光角化症でもp53の発現が強い症例では,十分な治療が必要であることを示唆し,今後の治療方針を決定する上で有用な所見といえた. 近年,悪性黒色腫や,皮膚悪性リンパ腫にインターフェロン療法が行われ,治療効果が得られている.このインターフェロン療法による効果の多くは免疫活性作用によるものと考えられてきた.しかし,本研究ではインターフェロンによる抗腫瘍効果が,必ずしも免疫活性作用によるものばかりでなく,腫瘍に対する直接作用も存在することを明らかとした.すなわち,インターフェロンによる細胞増殖抑制活性がp53を経由しないp21の活性化と,IRF-1の活性化を通じてのアポトーシスの誘導によるものであることを明らかにした.また,このインターフェロンやインターロイキン1による増殖抑制効果はp15,p16,p73に欠損のあるA375-2悪性黒色腫細胞株では強く見られ,今後癌治療を考察する上で有用な所見と考えられた.また,インターフェロンによる増殖抑制効果がステロイドの併用により増強されることも証明した.
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[Publications] Tetsuo Nagatani: "Primary Culaneous T-cell lymphomd" J.Jpn Soci Retxuloeudothel Sys. 36(5,6). 65-69 (1997)
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[Publications] 長谷哲男: "皮膚のリンパ腫・多剤併用化学療法" 日皮会誌. 107(13). 1628-1630 (1997)
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[Publications] 長谷哲男, ほか: "横浜市立大学皮膚科におけるII,III期悪性黒色腫リンパ節郭清の有用性の検討" Skin Cancer. 12(2). 294-297 (1997)
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[Publications] 長谷哲男: "皮膚悪性リンパ腫" 日臨皮会誌. 52. 29-34 (1997)
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[Publications] 長谷哲男, ほか: "皮膚科領域の悪性腫瘍治療の最近の進歩・皮膚のリンパ腫・菌状息肉症" 癌と化学療法. 24(1). 23-29 (1997)
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[Publications] Tetsuo Nagatani, et al: "Effect of natural intenpros-beta on inelanove cell lines" Melanoma Research. 7(SupL 1). S95 (1997)
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[Publications] 長谷哲男: "「NEW皮膚科学」皮膚腫瘍・非上皮性腫瘍" 南江堂(分担),飯塚一,大塚藤男,宮地良樹 編, 402 (1997)