1997 Fiscal Year Annual Research Report
神経ペプチドとフォルボールエステルによる皮膚腫瘍プロモーション刺激との関連
Project/Area Number |
07670960
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
幸野 健 大阪市立大学, 医学部, 講師 (50170197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 信之 大阪市立大学, 医学部, 講師 (80271188)
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Keywords | 腫瘍プロモーション / 神経ペプチド / 実験皮膚発癌 |
Research Abstract |
我々はこれまで、各種神経ペプチドと代表的な皮膚腫瘍プロモーターである12-o-tetradecanoy1 phorbol-13-acetae(TPA)による腫瘍プロモーション刺激との関連について検討して来た。神経ペプチドとしては、P物質(SP)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、血管作動性腸管ペプチド(VIP)、神経成長因子(NGF)、ベータ・エンドルフィン(β-EP)、ソマトスタチン(SOM)について検討した。平成7年度の結果でTPA塗布により、CGRP、VIP、NGF、SOMでは、その皮膚組織中・血中濃度共に変化を認めなかったが、SPでは、組織中においては1-6時間後、血中においては8-12時間後に上昇が認められ、β-EPでは、血中で1-6時間後に上昇が見られる事が分かった。平成8年度には、プロモーション過程のマーカー酵素であるオルニチン脱炭酸酵素(ODC)の活性について、各種神経ペプチドの前投与、後投与の効果を検討し、NGF、β-EPでは変化が認められなかったが、SP、CGRP、SOMでは、刺激後3、6、9時間において、最大約60%の抑制、VIPでは、前投与では上昇させ、後投与では抑制という二相性の変化を認めた。平成9年度は、ODCmRNAレベルについて検討したが、いずれの神経ペプチドも影響を与えない事が判明した。また、TPAによる皮膚増殖刺激に関しても、いずれの神経ペプチドも影響を与えなかった。今後は、各種神経ペプチドの作用の詳細なメカニズムの追求を課題としたい。以上、我々の一連の研究により、皮膚腫瘍プロモーション過程に対して、各種神経ペプチドが何らかの相互作用を有する事が明らかになったと考える。
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Research Products
(1 results)