1996 Fiscal Year Annual Research Report
汎発性強皮症におけるアポトーシスの免疫組織化学的・分子生物学的研究
Project/Area Number |
07670961
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Research Institution | Dokkyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
山蔭 明生 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (50106944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 俊 獨協医科大学, 医学部, 助手 (90265299)
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Keywords | アポトーシス / p53 / FAS / 強皮症 / myc / bcl-2 / 線維化 / 色素沈着 |
Research Abstract |
汎発性強皮症の発症にアポトーシスが関与していることを明らかにした。汎発性強皮症患者病変部皮膚では、病変の高度な色素沈着の強い症例で、p53・FAS・bcl-2などアポトーシスに重要な影響を与える様々な因子が発現していることを証明した。病変部皮膚では、TUNEL法により、アポトーシスが起こっていることを明らかにした。患者リンパ球表面のFASおよびFASリガンドの発現量を検討し、健常人に比し増加していることを明らかにした。さらにELISA法により患者血清中のs-FAS量を測定した。以上の結果から、汎発性強皮症皮膚では、表皮下層の有棘細胞ないし基底細胞層にアポトーシスを生じ、一方でメラノサイトを刺激してメラニン産生を増加させ色素沈着を惹起し、他方でTGF-αやTNFの産生を亢進させ、TGF-β・PDGFAA・PDGF-αレセプターなどを介して線維芽細胞を活性化しコラーゲン・ムコ多糖の合成亢進を来たし、線維化を招来するというメカニズムが想定された。アポトーシスがこの経路のスタートの部分を担っていることが判明したことから、p53・FAS・myc・bcl-2 CD40などを制御することによって、強皮症の発症を予防したり、治療したりすることが可能となるかも知れない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tabata H,Yamakage A,Yamazaki S: "Electron microscopic study of scleroderinatous chronic graft-versus-host disease." Int J Dermatol. 35・12. 862-866 (1996)
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[Publications] Tabata H,Yamakage A,Yamazaki S: "Double-lined sclevoderma." Int J Dermatol. 35・12. 876- (1996)
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[Publications] Tabata H,Ohtsuka S,Yamakage A,Yamazaki S: "Cutaneous electron microscopic study of sclevodermia diffusa in childhood." Int J Dermatol. (in press).
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[Publications] Ohtsuka T,Hasegawa A,Nakano A,Yamakage A,et al: "Correlation between nailfold capillary abnormality and pulmonary hypertension in patients with SS." Int J Dermatol. (in press).
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[Publications] Ishida S,Ichimura K,Yamakage A,et al.: "Missense mutation in Fabry's disease." Arch Dermatol Res. (in press).
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[Publications] 山蔭明生: "膠原病-診断と治療のポイント" 診断と治療社,東京, 2 (1997)