1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670968
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
本田 まりこ 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20100919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊丹 聡己 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50232385)
澤田 俊一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50187291)
新村 眞人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00010190)
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Keywords | 神経線維腫症1 / 神経線維腫症2 / 神経線維腫 / 神経鞘腫 / マスト細胞 / c-kit / stem cell factor |
Research Abstract |
マスト細胞は皮膚,呼吸器,消化管など生体内に広く分布する好塩基性顆粒を持つ細胞で,臓器によりその形態や機能が異なっている.NF1の神経線維腫内には多数のマスト細胞が存在していることが以前より指摘され^<5)>,腫瘍発生にNF1遺伝子異常とともに重要な役目を果たしていることが考えられている.今回,我々は神経線維腫症1,2についてマスト細胞について組織化学的に検索した. I.神経線維腫内のマスト細胞の形態 神経線維腫の腫瘍辺縁部には,紡錘形をした線維芽細胞様形態のマスト細胞が多く,一方中心部では類円形のマスト細胞が多い.また,神経線維腫の小さいものほど紡錘形のマスト細胞が多い.活性型である小斑型色素性蕁麻疹のマスト細胞は紡錘形である. II.肥満細胞の数 我々はトルイジンブルー染色で,表1の如く各組織中のマスト細胞の数を検索したところ,200倍で1視野に正常人皮膚では3.3±0.8個であり,神経線維腫症脳の正常皮膚は7.8±1.2個,神経線維腫内では16.3±10.2個であり,神経線維腫だけでなく神経線維腫症患者の正常皮膚においてもマスト細胞数の増加がみられた.一方,悪性神経鞘腫ではその数は減少していた.NF2患者の神経鞘腫内のマスト細胞数は正常人皮膚と同じであった.従って,NF1患者においては正常皮膚および神経線維腫共にマスト細胞の明らかな増加を認めた.また,神経線維腫の大きさとマスト細胞数を検索したところ,腫瘍が皮膚表面に局限して小さいものほどその数が多い傾向がみられた. III.c-kitとstem cell factor(STF) c-kitは神経線維腫のマスト細胞,表皮色素細胞で発現がみられ,神経線維腫を構成するほかの細胞や,真皮色素細胞では陰性であった.悪性神経鞘腫の腫瘍細胞は弱陽性を示した.SCFはシュワン細胞,神経軸索,表皮細胞,線維芽細胞で陽性所見だみられた.
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