1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670968
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
本田 まりこ 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20100919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊丹 聡巳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50232385)
澤田 俊一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50187291)
新村 眞人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00010190)
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Keywords | PCR-SSCP法 / 神経線維腫症2 |
Research Abstract |
神経線維腫症2(NF2)は中枢だけでなく,末梢にも神経鞘腫が多発する疾患で,両側性聴神経腫瘍は必発ではない.臨床的に発症が20歳以下で,腫瘍数も多い早発型(Wishart型)と発症が20歳以降で,腫瘍数も少ない遅発型(Gardner)に分類される. 皮膚科で多発性神経鞘腫症と云われていたものは,聴神経腫瘍を伴わずに皮膚や脊髄などの末梢神経に神経鞘腫が多発する疾患で,我々は聴神経腫瘍のない神経鞘腫症について22番染色体上のDNAマーカーを用い,Southern法で検索したところ,NF2遺伝子を含むプローブで神経鞘腫3/7(43%)に対立遺伝子の欠失を認め,更に欠失の認められた神経鞘腫を持つ3例のうち2例にgerm lineにもNF2遺伝子変異がみられたために神経鞘腫症とNF2は同一疾患であると報告した.我々が調べた神経鞘腫症は発症年齢が遅く,Gardner型に属すると考えられる.また,欧米諸国で合併症として多い白内障(合併率約80%)は自験例では皆無であった.現在我々はNF2遺伝子変異をPCR-SSCP法により検索しているが,フレームシフト突然変異4例,点突然変異1例が検出されている.また,神経鞘腫からmRNAの検索では今のところ異常は検出されていない.ミニサテライトを使用する方法で家系解析を行ったが,日本人の場合,欧米人と異なり,ヘテロとなることが少なく困難であった.
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[Publications] 本田まりこら: "ReckIng hansen病" medicine. 33・4. 665-668 (1996)
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[Publications] 本田まりこら: "神経線維腫症とマスト細胞" アレルギー科. 2・3. 271-276 (1996)
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[Publications] 本田まりこら: "神経線維腫症2の遺伝子診断" 日本皮膚科学会誌. 106・13. 1652-1653 (1996)
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[Publications] 本田まりこら: "図説耳鼻咽喉科2遺伝子異常と耳疾患" グロビュー社, 138 (1996)