1996 Fiscal Year Annual Research Report
フローファントムによるドプラ血流波形の解析および血流量測定に関する研究
Project/Area Number |
07671010
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
久 直史 高知医科大学, 医学部, 助教授 (30129621)
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Keywords | ドプラ法 / ファントム / 血流量 |
Research Abstract |
シャントあるいは狭窄についての検討は前年度の実験でほぼ結果が得られたので、本年度は主に血流量計測の問題点についての検討を行った。ファントムモデルとしては前年同様Cobe stockert社製拍動流人工循環ポンプと疑似血液を使用し,水槽中で超音波ドプラ装置によって測定を行った。今回は主に内径3mmおよび5mmのシリコンチューブを用いて水槽中での超音波ドプラ装置による計測とチューブ出口でのフリーフローの実測値とを比較検討した。前年度の検討でドプラ法による計測では見かけ上の平均流速が実際よりもかなり大きくなることが大きな誤差要因であることが推察されたので、FFT波形でのピーク値をなぞった手動計測の外に,装置に既存の“%window",“mode",“mean"等の計測法による計測値や,平均流速測定に対するwindow幅の及ぼす影響についても検討を行った。手動計測と実測値との検討では計測部に狭窄等を作成することによって流速波形,周波数スペクトルの異なった血流での検討を行った。ドプラ装置による計測値はいずれの場合も実測値に比べ大きかったが,“mean",“mode",“手動計測"の順にその差が大きかった。 “%window"は計測範囲が狭くFFT波形の一部しかカバーできないこともあってばらつきが大きかった。また,window幅との関係ではチューブ径に比べてwindow幅を狭くすればする程,計測流量は過大評価される傾向にあった。結果として,チューブ径を十分カバーできる広さのwindow幅で“mean"を用いた計測が最も実測値に近く,層流においても乱流においても再現性は良好であった。
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