1997 Fiscal Year Annual Research Report
超高速X線CTを用いた三次元脳CTアンジオグラフィーの基礎的ならびに臨床的検討
Project/Area Number |
07671013
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Research Institution | Saga Medical School |
Principal Investigator |
内野 晃 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (00160284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 祥 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50161641)
加藤 明 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70233773)
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Keywords | 超高速CT / CTアンジオグラフィー / 脳血管 |
Research Abstract |
平成9年度は8年度に引き続き,臨床例の積み重ねを行った.7年度の基礎的検討において4mmほどの細い血管病変の評価にはあまり適しないと判明したため,当初の予定であった頭蓋内脳動脈の評価は行わず,頚部の動脈,特に総頚動脈から内頚動脈にかけての病変について評価を行った.内頚動脈起始部には生理的な拡張と弯曲があり,同部は血液の乱流のために動脈硬化が進行しやすく,高頻度に狭窄病変が生じる.臨床的に脳虚血性疾患で内頚動脈病変が疑われた例に,イマトロン(Cー150XP型)を用いてCTアンジオグラフィーを行った. 300mg/Iの造影剤を右肘静脈から2ml/secの速度で約90ml注入し,注入開始25sec後からスキャンを行った.スライス厚3mmのCVSモードで,スキャン時間0.3secで行い,得られた連続する水平断画像から頚椎などの骨陰影を除去したのち,MIP(最大値投影法),MPR(多断面再構成)および3D(3次元画像)を得た. 選択的血管造影やMRアンジオグラフィーと対比できた症例はまだ少ないが,病変はやや過少評価される傾向があった.CTの分解能の限界によるものと考えられる.CTアンジオグラフィーの最大の利点は,異常な血管壁の石灰化病変を診断できることで,治療計画をたてる上できわめて重要である.しかし,スキャン時間がきわめて短いイマトロンCTを用いても,静脈が動脈と同一画像上に重なるため,血管造影やMRアンジオグラフィーに比べて劣った.この欠点は水平断の元画像の観察やMPR画像の観察で補うことは可能であった. 定量的評価を行うにはまだ症例数が不足で,今後も引き続き症例を重ねていく予定である.
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Research Products
(1 results)