1995 Fiscal Year Annual Research Report
MRIにおけるMTC効果を用いた脳虚血病変の早期描出に関する研究
Project/Area Number |
07671018
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
興梠 征典 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (60195691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦田 譲治 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (30264302)
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Keywords | Magnetization transfer contrast / Magnetic resonance imaging / 超高磁場MR装置 |
Research Abstract |
Magnetization transfer contrast(MTC)は、高分子と水の相互作用を利用した新しいMR撮像法で、自由水のprotonの共鳴周波数から数〜数十kHz離れたRF pulse(MTC pulse)の照射により観察される。このMTCとGd-DTPAの併用により脳梗塞の早期描出が期待される。予備実験として、MTC pulseの各parameterを変化させてin vitroにおける至適MTC pulseについて検討した。7T超伝導型MR装置で1%の寒天と水から成るファントムをspin echo法(TR/TE=500/30)で撮像し、MTC pulseの波形、照射時間、強度、offset周波数を変化させて、水とagarの信号強度(Mw、Ma)を測定し、各parameterにおけるMw、Maの変化及びMTC効果(Mw/Ma)について検討した。波形では、squareが最もMTC効果が大きかったMwの低下も著明であった。gaussとsincについては、Mwの低下はほぼ同等であったが、gaussの方がMTC効果が大きかった。照射時間については、その延長と共にMTC効果は大きくなったが、水の信号強度は、60msecで最低となった後、次第に増加した。強度は、強いほどMwが低下し、MTC効果も大きかった。offset周波数は、protonの共鳴周波数に近いほどMTC効果が大きくなったが、Mwは3kHz付近を境に急に減少した。以上より、最もcontrastが大きく水の信号強度が低下しない至適MTC pulseは、できるだけ照射時間が長く、強度が大きく、offset周波数が3kHz程度のgauss pulseであった。問題点として、MTC pulseの影響を受けないはずのMwに低下が見られたが、7Tという高磁場では、T1の延長とchemical shiftやsusceptibility、磁場の不均一性の増大によるT2^*の短縮でT1/T2^*値が大きくなり、自由水の直接励起が生じ易くなると考えられた。
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