1997 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴撮像法を用いた大脳白質神経線維の描出に関する研究
Project/Area Number |
07671025
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
渡部 恒也 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (50056313)
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Keywords | 白質 / 神経線維 / 拡散 / 拡散強調画像 / 拡散テンソル / エコープラナー / 磁気共鳴画像 |
Research Abstract |
平成9年度はこれまでに作成したエコープラナー型撮像法(echo planar imaging,EPI)による拡散強調型撮像パルス系列の見直しと改良の可能性について検討した。これまでの問題は、得られた画像の空間的な歪みが拡散テンソルからなる計算画像を作成障害となり、実際の計算画像を得ることが現実には困難なことにあった。これを解決する方法として、拡散強調に用いられる磁場勾配の印加法についての検討を加えた。これまでのEPIを用いた拡散強調像では複数の撮像軸に拡散強調用の磁場勾配異を印加した場合、対象撮像領域内に生じる非直交性の拡散成分が実際の拡散テンソルを計算する際の障害や、得られる画像の空間的な歪みを作る原因として考えられた。この問題の解決には拡散強調用の磁場勾配の配列についての工夫が必要となる。その主な点は、これらの拡散強調用の磁場勾配に対し、印加強度は同一ながら極性の異なる磁場勾配を追加配列することにより、このような非直交性の拡散成分を撮像の過程で除去するにある。前年同様1.5Tの超伝導型撮像装置を用い、ファントムおよび人間脳についてこの改良されたパルス系列による撮像を行った。これまでの方法に比べ、テンソルの計算に必要な画像データをより単純化できる面での効果は得られたが、この方法で拡散テンソル画像を求めるには以下の二つの問題点を解決する必要性が新たに生じた。ひとつは拡散強調用の磁場勾配を追加することにより、励起から画像信号を得るまでのエコータイム(TE)が延長、十分なS/N比を有する画像が得にくくなること、二番目の問題としては、使用した1.5Tの撮像装置では、このような拡散強調用の磁場勾配の印加強度に制限があり、拡散強調に必要な十分な磁場勾配因子(b factor)が得にくくあることであった。本研究では大脳白質線維を拡散テンソルからなる計算画像として抽出することを試みたが、その実現には使用撮像装置や撮像パルス系列についてさらに検討が必要と思われる。
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Research Products
(1 results)