1996 Fiscal Year Annual Research Report
RI標識抗体による癌の放射線内用療法を有効化するための分子生物学的アプローチ
Project/Area Number |
07671027
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Research Institution | Keio University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 佳代子 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (20124480)
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Keywords | RI標識抗体 / 内用療法 / 腫瘍 / CEA / アポトーシス / 胃癌 / 白血病 / I-131 |
Research Abstract |
本研究はRI標識抗体による内用療法によって腫瘍細胞がいかに変化するかを分子生物学的に明瞭にすることを目的にしている。平成8年度は平成7年度の細胞実験の結果を反映させて、ヌードマウスに植え付けたモデルについて検討し、以下のような成果が得られた。 (1)CEA産生ヒト胃癌細胞を植え付けたヌードマウスにI-131にて標識したモノクローナル抗体21B2を投与し、腫瘍細胞の壊死、アポトーシス像を形態学的、分子生物学的に観察した。 (1)細胞にアポトーシスの現象は認められなかった。この事は投与量を変化させても同様であった。 (2)標識抗体を腫瘍部分に局注投与した場合、腫瘍細胞の壊死が認められたが、アポトーシスの所見は得られなかった。投与を繰り返した場合、腫瘍細胞の壊死は認められたが、腫瘍組織への取り込みは低下した。 モデルに用いた胃癌は標識抗体により治療の可能性があるが、非常に高い量の標識抗体を腫瘍部分に集積する必要があること、繰り返し投与は血管壁の透過性などを低下させるので、かえって逆効果であること、さらに腫瘍はアポトーシスでなく、壊死によって縮小することなどの知見を得た。 (2)マウス白血病細胞を腹腔内に植え付けたヘテロマウス、ヌードマウス、SCIDマウスにI-131にて標識したモノクローナル抗体を投与し、腫瘍細胞の壊死、アポトーシス像を形態学的、分子生物学的に観察した。 (1)いずれのマウスにおいても、アポトーシスを示す知見が認めた。この知見はI-131のみの投与でも認められた。 (2)投与量の影響を検討した結果、低い濃度で上記の知見が得られたのはヘテロマウスのみで、ヌードマウスではI-131単独でも、標識抗体でも効果は同一であった。また、高濃度のI-131投与により、SCIDマウスでは放射線障害によって死亡した。 造血器腫瘍では、標識抗体によってアポトーシスがおこることが判明したが、担癌マウスではその免疫機構も関与していることが示唆された。
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[Publications] 中村佳代子: "^<99m>Tc-MIBI集積と多剤耐性" RADIOISOTOPES. 45(10). 661-662 (1996)
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[Publications] Kayoko Nakamura: "Comparison of cationic myocardial perfusion agents : Characteristics of accumulation in cultured smooth muscle cells" Annals of Nuclear Medicine. 10(4). 375-381 (1996)
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[Publications] Kayoko Nakamura: "Biodistribution of I-125-labeled monoclonal antibody/IL-2 immunoconjugate in athymic mice bearing human tumor xenograft" TUMOR TARGETING. 2(3). 153 (1996)
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[Publications] Hiroshi Takami: "Technetium-99m SESTAMIBI scan is the useful procedure to locate parathyroid adenomas before surgery" American Journal of Surgery. 172(1). 93 (1996)
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[Publications] Hiroshi Takami: "What are the indications for Tc-99m-sestamibi scintigraphy in hyperparathyroidism?" Clinical endocrinology. 45. 121-124 (1996)