1995 Fiscal Year Annual Research Report
精神病状態の発症脆弱政における脳ドパミントランスポーターの役割
Project/Area Number |
07671045
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沼知 寿美子 (吉田 寿美子) 東北大学, 医学部, 助手 (50261532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 光源 東北大学, 医学部, 教授 (70033321)
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Keywords | メタンフェタミン / 逆耐性現象 / ドパミントランスポーター / 高親和性部位 / 低親和性部位 / 最大結合数 / 解離恒数 |
Research Abstract |
メタフェタミン(MAP)やアンフェタミン(AMP)などの覚せい剤を長期反復投与した際に観察される逆耐性現象(以下逆耐性と略)は,その出現様式,行動内容の変化及び抗精神病薬への反応性の類似から覚せい剤精神病の発症と再発の生物学的機序に関する研究モデルとされている.逆耐性に最も直接的に関連した神経化学的な変化は逆耐性形成動物に覚せい剤を再投与した際のドパミン(DA)作動性神経終末からのDAの過剰放出である.低用量の覚せい剤はドパミントランスポーター(DAT)に作用してDAを細胞外へ輸送する(交換拡散モデル:FischerとCho,1979)と考えられていることから逆耐性形成時にはDATのDA放出機構に何らかの異常が生じている可能性が示唆されている. そこで今回我々はMAP逆耐性形成後断薬7日目のラット脳線条体を用いてDATに特異的なリガンドである[^<125>I]RTI55の結合実験を行い,逆耐性に伴うDATの変化を検討した.非線形最小二乗法による解析の結果,DATへの[^<125>I]RTI55の特異結合は高親和性,低親和性部位の2つが存在した.解離恒数(Kd)に関しては逆耐性群と対照群との間に有意な差は認められなかったが,逆耐性群では最大結合数(Bmax)の高親和性部位が対照群に比較して有意に増加していた(逆耐性群;0.13±0.06pM/mg wet tissue,対照群;0.06±0.04pM/mg wet tissue p<0.05(t-test)).最近,コカイン誘導体で標識されるDATの高親和性部位はDAT機能を反映することが報告されており,今回の結果はMAP逆耐性に伴ってすくなくとも断薬7日目にはDATの機能が上昇している可能性を示唆するものである.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yoshida, S. et al.: "EX vivo autoradiography and radiolabeled receptor assey using [^<125>I]RTI 55 in the cocaine sensitized rat brain." Journal of Neurochemistry. 65. s170 (1995)
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[Publications] Yoshida, S. er al.: "Positoronemission tomography (RET) study of the alterations in brain distribution of [^<11>C] methamphetamine in methamphetamine sensitized dog." Nuclea Medicine and Biology. 22. 803-808 (1995)
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[Publications] Yoshida, S.: "Changes in cliff avoidance reaction induced by subchronic methmphetamine administration in rats." The Japanese Journal of Psychiatry and Neurology. 48(3). 684 (1994)
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[Publications] 吉田寿美子: "メタフェタミン慢性投与に伴うラット断崖回避反応の変化." 日本神経精神薬理学雑誌. 15. 397-403 (1995)
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[Publications] Sato, M.: "Metamfetamina asuso, dipendenz a e psicosi nel pase del sol levant." Medicina delle tossicodipendenze.11. 48-51 (1994)
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[Publications] 佐藤光源: "覚醒剤-乱用・依存と脳障害." こころの科学. 57. 69-72
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[Publications] 吉田寿美子(分担): "薬物依存と脳障害" 学会出版センター(印刷中),