1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671047
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
井田 逸朗 群馬大学, 医学部・神経精神医学講座, 助手 (50251103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 啓吾 群馬大学, 医学部・核医学講座, 教授 (10115800)
三国 雅彦 群馬大学, 医学部・神経精神医学講座, 助教授 (90060508)
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Keywords | 感情障害 / 不安障害 / 中枢型ベンゾジアゼピン受容体 / SPECT / オートラジオグラフィー |
Research Abstract |
平成7年度研究実績:脳内中枢型ベンゾジアゼピン(BZD)受容体は感情障害や不安障害に有効とされるBZD系薬物(抗不安薬)が結合する部位であり、これらの精神疾患に特徴的な不安症状との関連が深い。そこで感情障害および不安障害患者を対象に、^<123>l-lomazenil SPECTによる脳内BZD受容体結合の検索を非侵襲的に施行した。その結果、BZD系薬物を未服薬の患者群では、前頭葉上部、頭頂葉、側頭葉、後頭葉皮質で脳内BZD受容体結合の有意な低下が認められた。また左上部前頭皮質および右側頭皮質において、不安症状の重症度と脳内BZD受容体結合強度との間に有意な負の相関が認められた。このことから、上記疾患では脳内BZD受容体機能が何らかの原因によって変化していることが予測された。 平成8年度研究業績:既に本研究者らは胎性期にストレス負荷を加えることによってストレス脆弱性ラットが生じ、これがヒトでの感情障害や不安障害のモデル動物となりうる可能性があることを立証している。前年度の臨床研究の結果を検証するため、(1)ストレス脆弱性ラットに急性拘束ストレス負荷した場合の脳内BZD受容体結合へ影響について^<125>l-lomazenilを用いたオートラジオグラフィーによって検討した。(2)また通常ラットで、不安惹起物質として脳内に存在することが明らかにされているβ-CCBを投与した場合についても同様に検討した。その結果は予備的なものであるが、(1)急性拘束ストレスによってBZD受容体結合は左前頭皮質で相対的に低下する傾向、(2)β-CCBが脳内BZD受容体を占有することが明らかになった。すなわちストレス負荷あるいは不安惹起物質は脳内BZD受容体機能に影響をもたらしており、このことは感情障害や不安障害の病態との関連を強く示唆するものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Tokunaga,I.Ida,T.Higuchi and H.Mikuni: "Alterations of benzodiazepine receptor binding pokutial in anxiety and somatoform discrders." Radiation Medicine. (in press).
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[Publications] M.Mikuni,K.Kitera,K.Saitoh et al.: "Serotonin in the Central Nervous System and Penphary" Elsevier Science, 260 (1995)