1995 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー型老年痴呆の臨床経過における画像解析に関する研究
Project/Area Number |
07671052
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松下 正明 東京大学, 医学部(病), 教授 (70090404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 威和雄 東京大学, 医学部(病), 助手 (00251281)
百瀬 敏光 東京大学, 医学部(病), 助手 (20219992)
斉藤 正彦 東京大学, 医学部(病), 講師 (30235072)
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Keywords | アルツハイマー型老年痴呆 / activation study / 病態変化 |
Research Abstract |
東京大学医学部附属病院精神神経科に外来通院しているアルツハイマー型老年痴呆患者のうち、PET,SPECTなどの画像診断がなされている患者を追跡調査した。 (1)安静時の局所脳血流・代謝について測定した結果は、従来得られていた結果と同様であり、重症度に応じ、傾頭頭頂葉の血流・代謝の低下にはじまり、より重症のものは前頭葉の血流の低下まで至っていた.血流・代謝の低下の進展は、側頭葉内側から始まり頭頂葉に発展していき、途中症状の進展が著しいものでは、前頭葉の低下も示していた.前頭葉まで低下している症例は、重症度が高いものが多かった. これらの結果は、症状の進展と脳機能の低下の進展との関連を考える上では、興味深いものであった. (2)当初の目的では、各被験者に対し、課題遂行時の脳血流・脳糖代謝を測定し、認知の異常と局所勝機能との対比を行い、アルツハイマー型老年痴呆の病態の推移を評価しようと考えていた。課題遂行時の脳血流・脳糖代謝測定は、正常被験者の脳のactivation studyとしては、ほぼ確立していると思われるが、痴呆患者に対しては、評価がまちまちである.本研究では、比較的遂行しやすい課題をいくつか設定して、正常被験者とアルツハイマー型老年痴呆患者とを比較したが、アルツハイマー型老年痴呆患者の場合、易しい課題ですら課題遂行そのものが困難であり、activation studyとして評価するだけの結果を得ることができなかった. したがって、さらに、痴呆患者に適する課題の工夫が必要であることがわかった. 痴呆患者の場合、複数の課題の遂行を指示する事がむつかしく、上記のような追跡調査に乗っている限られた患者での施行では結論を出すことができなかった.今後引き続き検討していく必要があると思われる.
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