1995 Fiscal Year Annual Research Report
選択的D2受容体遮断薬による抗不安・抗うつ作用発現機序に関する研究
Project/Area Number |
07671054
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
金野 滋 東京医科歯科大学, 保健管理センター, 助教授 (90126219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷合 哲 東京医科歯科大学, 保健管理センター, 教授 (10013989)
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Keywords | 不安 / 抑うつ / ドパミン神経 / β-CCM / スルピリド / マウス |
Research Abstract |
本研究はストレス行動実験で実験動物の選択は重要な問題であることから、各種マウスを比較検討した結果、C57B/6N近交系マウスを選択した。不安惹起物質β-CCM(β-carboline-3-carboxylic acidnmethyl ester)の至適投与量の設定実験を行った。C57B/6N系マウスにβ-CCMによる不安関連行動が発現する投与量は0.5〜1mg/kgであり、3mg/kgでは約75%に痙攣が起き、10mg/kgでは痙攣の発現が100%に至ることから、至適投与量は1.5〜2.0mg/kgに決定した。また、β-CCMの作用発現の時間経過を測定したが、高投与量での痙攣が腹腔内投与後平均56秒で発現することから、中枢神経への作用は投与後約1分で始まり、その後の不安関連行動が約40分間は明確に持続することから、行動測定時間はβ-CCM投与後15〜35分の20分間に設定することとした。また、明暗箱の移動回数、暗所停留時間、移所性行動量、脱糞数、すくみ状態の持続時間など各種不安関連行動を明暗箱とオプンフィールドで測定した。明暗箱を用いた場合、明暗箱の移動回数、暗所停留時間には個体差が極めて大きいことが判明した。比較的安定した結果が得られるのは、オプンフィールドでのすくみ状態の持続時間であり、今後の不安の指標としてすくみ状態の持続時間を5秒単位で測定することとし、投与薬剤の運動機能自体への影響を検討するため、移所性行動量を同時測定することにした。これまでに明確になった研究成果は以上であり、現在、上記の設定条件でD2受容体遮断薬のsulpirideがβ-CCMによる不安にどのように作用するかを検討する実験を進行している。
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