1995 Fiscal Year Annual Research Report
セロトニン系に関連した感情障害の臨床的、基礎的研究 -ビオプテリン補酵素を中心として-
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07671062
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
粥川 裕平 名古屋大学, 医学部, 助手 (20214570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 仲生 名古屋大学, 医学部, 医員
中原 大一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80128389)
太田 龍朗 名古屋大学, 医学部, 教授 (00109323)
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Keywords | テトラヒドロビオプテリン / 感情障害 / インターフェロン / 脳内モノアミン |
Research Abstract |
1.インターフェロン-α投与患者におけるビオプテリン補酵素の動態. 1)C型慢性肝炎患者へのインターフェロン-α治療前後での血漿中総ビオプテリン値の変化.全ての症例でインターフェロン投与後に血漿中総ビオプテリン値の有為な上昇を認めた.またインターフェロン-α治療後に抑うつ症状が出現した患者群においては出現しなかった群に比べて,さらなる高値を示した. 2)インターフェロン-αのヒト白血球中のdihydoropteridine reductase(DPR)活性の影響.健康健常者の白血球をもちいたin vitroの実験においてDPR活性は,インターフェロン-αの存在により有意に低下した. 2.インターフェロンα投与による脳内モノアミン及び総ビオプテリン値の変化. 実験動物(ラット,マウス)にインターフェロン-αの筋肉内投与を行い,その後の行動変化,脳内モノアミン,総ビオプテリン値を測定した. 1)単回投与による変化.探索行動量は対照群に比べ投与群は有為に増加した.脳内モノアミンは中脳で5-HTの増加と5-HIAAの減少,側座核でNAの減少をみた.総ビオプテリン値は線状体で有意の増加をみた. 2)連日慢性投与による変化.探索行動量はやはり投与群で有意に増加した.脳内モノアミンは中脳,延髄,海馬,線状体での5-HTの増加,中脳,延髄,小脳でのNAの減少,海馬でのNAの増加を認めた.総ビオプテリン値は単回投与で認めた増加は慢性投与では認めなかった.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 北山 富常: "インターフェロン投与によるうつ症状患者およびラット、マウスでの脳内アミンビオプテリン補酵素の変化について" 精神薬療基金研究年報. (inpress). (1996)
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[Publications] 北山 富常: "インターフェロンに伴う精神症状について-ブオプテリン代謝との関連-" 精神薬療基金研究年報. 26. 153-157 (1995)
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[Publications] 粥川 裕平: "不眠症(とくに持続性精神生理性不眠症)とその治療 特集 睡眠障害の基礎と臨床" 臨床精神医学. 24. 857-865 (1995)
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[Publications] 太田 龍朗: "覚醒障害とその治療 特集 睡眠障害の基礎と臨床" 臨床精神医学. 24. 867-875 (1995)
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[Publications] Tatsuro Ohta: "Circadian Rhythm Sleep Disorders:A Brief Review with Special Reference to Long-term Follow-up" Nagoya Journal of Medical Science. 58. 83-95 (1995)
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[Publications] 太田 龍朗: "感情障害と睡眠 特集 睡眠研究の進歩" 精神保健研究. 8. 2-41 (1995)
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[Publications] 太田 龍朗: "精神科ハンドブック(1)診断と治療" 星和書店, 263 (1995)
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[Publications] Tamotsu Okada: "Sleeping breathing disorders and sudden infant death syndrome" National Center of Neurology and Psychiatry, 182 (1995)