1995 Fiscal Year Annual Research Report
前頭一側頭型痴呆におけるアポリポ蛋白Eの遺伝子型について
Project/Area Number |
07671074
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
尾籠 晃司 九州大学, 医学部, 助手 (40211817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一宮 厚 九州大学, 医学部, 助手 (90176305)
北本 哲之 東北大学, 医学部, 教授 (20192560)
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Keywords | 前頭-側頭型痴呆 / アポリポ蛋白E / 分子生物学 / 痴呆 |
Research Abstract |
我々は九州大学医学部附属病院およびその関連施設で治療中の痴呆患者において病歴聴取、神経心理学的検査および画像検査により現在までのところ28例の前頭側頭型痴呆を診断し、それらの症例の白血球よりDNAを抽出した。また病理学的検索により2例の前頭側頭型痴呆を診断し、それらの症例の凍結保存脳よりDNAを抽出した。現在までに計30症例の前頭側頭型痴呆症例のDNAを得ている。これらの内18例においてはすでにPCRによる遺伝子増幅後、RFLP法による解析を行い、apolipoproteinEの遺伝子型に関して検索を行った。その結果、ε4の頻度は4/36(11%)であった。これは我々の行った対照例100例におけるε4の頻度22/200(11%)と一致し、Alzheimer型痴呆に見られるような対照との差異は認められなかった。このことより、ε4はこれまでの検索結果からは、前頭側頭型痴呆においては危険因子とならないことが示唆される。当初の研究計画は予定通り進んでいるが、前頭側頭型痴呆の症例数が統計学的にまだ十分でないため、今後症例数を増やして検討する必要があり、さらに検索を重ねている途中である。前頭側頭型痴呆とε4遺伝子との関連を示唆する結果は今のところ得られないため、今後は今回の症例に関して他の痴呆性疾患において注目されている遺伝子、例えばプリオン遺伝子等についても検索を行いたい。
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