1996 Fiscal Year Annual Research Report
前頭-側面型痴呆におけるアポリポ蛋白Eの遺伝子型について
Project/Area Number |
07671074
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
尾籠 晃司 九州大学, 医学部, 助手 (40211817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一宮 厚 九州大学, 医学部, 助手 (90176305)
北本 哲之 東北大学, 医学部, 教授 (20192560)
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Keywords | 前頭側頭型痴呆 / アポリポ蛋白E / 分子生物学 / 痴呆 |
Research Abstract |
我々は九州大学医学部附属病院およびその関連施設で治療中の痴呆患者において病歴聴取、神経心理学的検査および画像検査により、現在までのところ29例の前頭側頭型痴呆を臨床的に診断し、本人または家族の同意を得た上でそれらの症例の白血球よりDNAを抽出した。また臨床的に前頭側頭型痴呆とされた症例の死後の病理学的検索により、5例の前頭側頭型痴呆を病理学的に診断し、それらの症例の凍結保存脳よりDNAを抽出した。現在までに計34症例の前頭側頭型痴呆症例のDNAを得ている。これらの内26例においてはすでにPCR法による遺伝子増幅後、RFLP法による解析を行い、apolipoproteinEの遺伝子型に関して検索を行った。その結果、26例におけるε4のアリル頻度は7/52(13%)であった。これは我々の行った対照例31例におけるε4のアリル頻度2/62(3.2%)より頻度が高く、統計学的に有意差を認めた。このことより、ε4はこれまでの検索結果からは、前頭側頭型痴呆においても発症の危険因子となることが示唆される。当初の研究計画は予定通り進んでいるが、前頭側頭型痴呆の症例の検索が全部終了しておらず、さらに検索を重ねている途中である。また、現在のところ前頭側頭型痴呆とε4遺伝子との関連が示唆される結果が得られているため、Alzheimer型痴呆など他の痴呆性疾患との比較検討が必要と考えられ、それらの症例に関する検索を進めている途中である。
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