1995 Fiscal Year Annual Research Report
感情障害におけるセロトニン関連受容体遺伝子変異の検討
Project/Area Number |
07671076
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
林田 雅希 長崎大学, 医学部, 助手 (70264223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新川 詔夫 長崎大学, 医学部, 教授 (00111170)
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
岡崎 祐士 長崎大学, 医学部, 助教授 (40010318)
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Keywords | 感情障害 / 表現促進 / セロトニン輸送体遺伝子 |
Research Abstract |
倫理的配慮について,長崎大学医学部倫理委員会において研究実施許可を得て,対象(長崎大学精神神経科病棟を含む長崎県下の精神科治療施設に入院中または通院中のWHOの国際疾病分類ICD-10V章・精神と行動の障害の研究用診断基準で気分障害もしくはDSM-III-Rで感情障害と診断された患者とその家族)のスクリーニング調査を行った。最初に,気分障害(感情障害)における表現促進(anticipation)について検討するため,これまでの調査結果を基に,第一度および第二度親族に精神疾患の既往または精神科施設通院歴のある患者の中から見出された19組の気分障害親子発症例における発症年齢の比較を行った。その結果,子世代における発症年齢の有意な低下が認められ(Wilcoxon t=7.0,df=18,p<.0001;one tailed),統計学的バイアスが十分に除外できているとは言い難いながらも,気分障害における表現促進が示唆された。そこで,子世代における明らかな発症年齢が低下している親子発症例で,研究への同意の得られた5組から,血液試料の提供を受け,DNAを抽出して保存した。現在,Family Interview for Genetic Studies(FIGS)といった遺伝研究用の面接基準による面接を順次実施しながら,両親からの遺伝負因の除外を行っているところである。 一方,遺伝子変異の有無の検討については,セロトニン輸送体遺伝子の塩基配列を参考にして作製したPCR用オリゴヌクレオチドプライマーを用いて,既に保存してある上記DNA試料にて,多形の報告がある17塩基の繰り返し配列の繰り返し数と表現促進との関連性について検討中であるが,有意な結果は今までのところ得られていない。さらに症例数を増やして検討する予定である。
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