1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671090
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮田 久嗣 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70239416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜山 俊夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80246438)
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Keywords | 依存性薬物 / 精神依存 / 精神毒性 / 脳内報酬系 / 条件性場所選択実験 / 薬物自己投与実験 / ラット |
Research Abstract |
動物はSD系雄性ラットを用いた。精神依存の動物モデルとして、まず、条件性場所選択(CPP)事態を用いた。薬物としては、幻覚・妄想、興奮などの精神毒性を発現させる依存性薬物として覚醒剤(メタンフェタミン:MAP)、精神毒性を発現させない依存性薬物としてニコチン(NCT)について検討した。MAPとNCTの全身投与では、NCTと比較してMAPでより顕著なCPPの形成がみられ、MAPの方がNCTよりも強い報酬効果を有することが示された。この結果は、臨床におけるこれら薬物の精神依存能に相関するものである。次に、脳内報酬系である中脳-辺縁・皮質系ドパミン(DA)神経路の中で、精神依存発現に特に重要な部位とされる内側前頭前野と側坐核の関与を検討した。この結果、CPP形成においては、MAPでは側坐核の関与の方が内側前頭前野よりも強く、一方、NCTでは内側前頭前野の関与の方が側坐核よりも強いことが示された。現在、データの数を増やすとともに、精神依存の動物モデルとして最も妥当性の高いモデルとされる薬物自己投与実験において上記結果を検証しているが、今回の結果は、依存性薬物による精神依存発現には脳内報酬系が関係しているものの、関与する脳内部位は薬物によって異なる可能性を示すものと考えられる。 一方、MAPとNCTの精神毒性を検索するために、これら薬物を反復全身投与し、一般行動と社会行動におよぼす影響を比較検討した。この結果、MAPでは、一般行動において被刺激性の亢進、自発運動量の増加、常同行動がみられ、社会行動では、他ラットとの接触性の減少、攻撃性の亢進がみられた、NCTでは、一般行動において自発運動量の増加がみられるのみであった。このような両薬物の差異が、精神毒性発現の相違に関与している可能性が考えられる。現在、各薬物の脳内投与によって、MAPとNCTの上記行動効果発現にかかわる脳内部位の検索に着手している。
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Research Products
(1 results)