1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671094
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Research Institution | KURUME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 純 久留米大学, 医学部, 助教授 (40148804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内村 直尚 久留米大学, 医学部, 講師 (10248411)
山田 茂人 久留米大学, 医学部, 助教授 (20158190)
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Keywords | せん妾 / 血漿MHPG / 血漿HVA / せん妾の評価尺度 / アクチグラフ |
Research Abstract |
最近、老年者や救命救急センターの入院患者の増加のため総合病院において、せん妾患者が増加している。せん妾は原疾患の治療を妨げ、合併症を起こすことがありせん妾に対する対策は重合である。ところで、せん妾の治療にはこれまでハロペリドール.チアプリドなどの抗精神病薬が主に用いられてきたが、十分に効果をあげていないのが現状である。今回はまず、四環系抗うつ薬の一つであるミアンセリンに抗せん妾効果があることを示し、同時にせん妾の病態を経時的に検討することを目的に、第1年度には、せん妾発症後、1、3、5日目に採血して、ミアンセリンの血中濃度、血漿MHPG. HVAを測定した。更に、第2年度には術前より、せん妾発症の有無にかかわらずアクチグラフを装着して、活動量および血漿MHPG. HVAの変化を計測した。その結果、ミアンセリンには抗せん妾効果があり、また、その血中濃度が投与1日目から上昇していたことから抗うつ効果とは異なった作用機序で作用していることが明らかになった。更に術後せん妾の患者でミアンセリンの経口投与ができない患者にはミアンセリン坐薬を作成し投与したところ内服と同様の効果を得た。また、血漿MHPGの変化を検討したところせん妾出現時、血漿MHPGが上昇していたことから、せん妾出現時にはノルアドレナリンの代謝が亢進していることが推定された。なお、採血に際しては患者及び家族の同意を得て行った。
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[Publications] Nakamura et al.: "The effect of mianserin hydrochloride on delirium." Human Psychopharmacology. 10. 289-297 (1995)
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[Publications] 中村 純他: "せん妾に対するミアンセリン療法とその作用機序" 医学のあゆみ. 173 (13). 1024-1025 (1995)
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[Publications] 内村尚直他: "振戦せん妾に対するmianserinの治療効果・血漿MHPG, HVAの変化" Neurosciences. 21. 171-174 (1995)
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[Publications] 中村 純他: "せん妾状態では血漿MHPGが高値になるか?" Neurosciences.
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[Publications] 21 (Sup2). 105-108 (1995)
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[Publications] Nakamura et al.: "Does plasma free-MHPG increase in the delirious state?-a comparison of the effects of mianserin and haloperidol on delirium" International Clinical Psychopharmacology. in press. (1997)
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[Publications] 中村 純: "コンサルラーションリエゾン精神医療昼夜逆転による患者" 中山書店(印刷中), (1997)
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[Publications] 中村 純: "老年消化器病の現状と将来 老年者への心身医学的アプローチ" 医学図書出版(印刷中), (1997)